香典返しのお役立ち情報
香典返しのマナー(時期・金額・品物・のし・挨拶状・お礼)
香典返しとは
昔は不幸があったとき、親戚の人や近所の人々が物を持ち寄って故人の供養をしたそうです。現在では、それらの物が「香典」や「供物」にと形を変えてきましたが、悲しみに沈む遺族の方々を助け、励ますという気持ちの表れには変わりありません。
遺族の方々は、こうした気持ちを十分にくみ取り、四十九日の忌明け後に「いただいたお香典により、無事法要を済ませることができました」とお礼を込めて丁寧にお返しを贈ります。
関連記事:香典返しとは いつ渡す? いつまでに、どんなものを贈ればいい?
香典返しの時期

1.仏教
仏教では、七七忌(四十九日)の法要をもって忌明けを迎え、忌が明けるということから、忌明け後に、供物、供花、香典をいただい方全員に、無事忌明けを迎えたお礼の品を贈ります。
2.神道
神道では、一般的に50日目の霊前祭(50日祭)をもって、仏教でいう忌明けとなりますので、その後にお礼の品を贈ります。
3.キリスト教
本来キリスト教には、香典返しはありませんが、日本では古来の風習にあわせて行っているようです。仏教でいう忌明けは、カトリックでは、30日目の追悼ミサ、プロテスタントでは1カ月後の召天記念会となり、その後に記念の品を贈ります。
仏教・神道・キリスト教ともに法要後、1カ月以内を目安にお返しの品物をお贈りします。
参考:安心!納得!葬儀・法要・相続の備えと手続きがよくわかる本(清水頭広幸 秀和システム) 132ページ
関連記事:香典返しの時期、早めに返してもいい? 遅れたケースや宗教別の時期など
香典返しの金額

1.香典返しの相場
香典返しでは、いただいたお香典の半分くらい(半返し)のご予算でお返しをするのが一般的です。5,000円のお香典をいただいた場合は、2,500円くらいが相場となります。ただし、親族などから多めの香典返しをいただいた場合は、3分の1くらいでもよいとされています。
関連記事:香典返し 金額の相場は?「半返し」か「3分の1返し」のどちら?
2.「即日返し」をした場合
「即日返し」とは、告別式当日に香典返しをお渡しすることです。 この場合、用意しておいた香典返しが、いただいた香典に見合わない方へは後日、忌明け後にお礼の品をお届けするのが一般的です。
特に生前お世話になった方や丁重にご会葬いただいた方(特に高額の香典をいただいた方)には、忌明けのご挨拶もかねて香典の約半分の金額から「即日返し」のご予算分を差し引いた金額ぐらいで返礼を行います。
3.お香典を相場より多めにいただいた場合
香典返しの額については2分の1から3分の1くらいが定着していますが、多めの香典を贈られる方は特別な気持ちがあってのことと思われます。
そのようなお気持ちの方にあくまでも半返しでとこだわる必要はないでしょう。相手の気持ちを尊重してお世話になった御礼としてのお品物を贈るようにしましょう。
当店のお客さまの場合、2,000円台から50,000円まで幅広い価格帯から選ぶことができるカタログギフトを利用される方が多いです。
関連記事:高額な香典返しはどうすべき? 親戚などから5万円や10万円の香典をいただいたら
4.入院中にお見舞いをいただいた場合
入院中にお見舞いをいただいたものの、残念ながら快癒せずにお亡くなりになられた場合に返礼する際は「お見舞御礼」としてお返しをご用意するのが一般的です。
相場はいただいた額の3分の1から半分程度を目安に黒白の結び切りのかけ紙を用いて弔事包装します。
また本来であれば香典返しとは別々にお贈りするのが丁寧ですが、香典返しと重なる場合が多いことでしょう。その際はお見舞い返しとお香典返しと別々の品物をご用意して忌明け挨拶状とお見舞い礼状の2種類を付けて、四十九日の忌明け後に同梱配送します。
もしくはお見舞いのお返しを加えた額でお香典返しをご用意する際は一言「お見舞いも頂き有難う御座いました」などお見舞いへの御礼が含まれている事が相手に伝わるようにお見舞い礼状も添えるようにします。
当店のサービス:メッセージカード無料サービス
参考:大人の常識とマナー(学研) 127ページ
香典返しの品物

香典返しは不祝儀のお返し・お礼なので縁起を担いで洗剤・石鹸や好き嫌いの少ないお茶など、あとに残らないもの(消えて無くなるもの)が良いとされます。
他には実用品としてタオルや日常生活で役立つ寝具やマットなどもよく用いられます。
近年では先様がお好きな品物をお選びいただけるカタログギフトも多くご利用いただいています。
関連記事:香典返し 品物は何がいい? 喜ばれるもの、おすすめ、人気、定番、タブーは?
香典返しののし紙(掛け紙)

香典返しの品物には、のし紙(掛け紙)を掛けます。のし紙には、以下のような種類があり、特に水引が異なります。水引とは贈答品の包み紙を結ぶ紙製の紐のことで、のし紙に印刷されているのが一般的です。
(1)蓮の絵が入った水引:仏教全般で使用
(2)蓮の絵のない水引:宗教を問わず使用
(3)黄色と白色の水引:神道やキリスト教、主に大阪や京都などの関西地区で使用
(4)水引のないデザイン掛け紙:宗教を問わず使用
当店では、上記のような香典返しののし紙を無料でお付けしておりますので、ケースに合わせてお選びください。
当店のサービス:熨斗(のし)・包装紙の無料サービス
関連記事:香典返し のし(掛け紙)の表書き、「志」や「満中陰志」などについて
香典返しに添える挨拶状(お礼状)
本来は先方にお伺いし、香典のお礼と無事忌明け法要を済ませることができた旨のご報告を差し上げるのがマナーですが、(香典返しに限らず、お礼は直接申し上げるものなのですが)、近年では宅配便などでお送りするケースが増え、直接お礼を申し上げることができないかわりに挨拶状(お礼状)を添えて贈ります。
当店では定型文挨拶状(一般的な文面)、宗教別名前入り挨拶状(故人名・差出人あり)をご用意しております。
当店のサービス:挨拶状の無料作成サービス
関連記事:香典返し お礼状・挨拶状の文例と注意点、テンプレートについて
満中陰志とは
満中陰法要(忌明法要)の時の志という意味合いがあり、おもに関西を中心に西日本地区で多く使われます。
「中陰」とは仏教での考えであり、この世とあの世の間と言う考え方です。死後四十九日かけてあの世へたどり着いた(無事成仏した)ことを「満中陰」と言います。「志」とは、謝意を表す言葉で「おかげさまで無事満中陰を迎えました」という感謝の気持ちを表しています。
関連記事:満中陰志とは? その意味や品物、金額、のし、挨拶状、お礼などについて
香典返しを辞退された場合
例えば一家の主が亡くなった時、「遺された家族や遺児の為に少しでも役立てて下さい。香典返しは謹んでご辞退申し上げます」という手紙が添えられていたり、或いは「故人に今までお世話になったご恩に比べれば本当に心ばかりの香典です。 香典返しをご辞退申し上げます」といった手紙が添えられていたりという話を聞きます。
香典返しは忙しい中を時間を割いて故人のために葬儀に参列していただいたことへのお礼であったり、故人が生前受けた恩に対するお礼であったり、故人の死に際して相手から受けた温かい励ましに対するお礼であったりするため、基本的には辞退された相手にもお礼状を添えて香典返しを差し上げるのが本来のマナーです。
ただ、上記で紹介した「遺児の学費、生活費に」といった主旨でご辞退されるような場合には、お気持ちをありがたく頂戴し、丁寧にお礼状を出すのが良いかもしれません。
関連記事:香典返し 辞退の仕方と、辞退された場合の対応について
会社・団体への香典返し
会社や団体からいただいた香典に対しては、臨機応変に対応されるのがよいでしょう。例えば大企業などでは形式的なものなので、必要ないと判断される方が多いようです。
ただ会社のごく親しい方々からいただくような場合はきちんと香典返しをされるようです。「○○課一同」という名前で戴いた場合は、皆様で召し上がっていただけるお菓子やお茶などを返すのもひとつの方法です。
また、いただいた額にもよりますが、通常の個人で頂くお香典金額と変わらないようであれば個別に返礼されるほうがいいでしょう。
関連記事:香典返し 会社や職場の同僚へのお返しはどうすべき?
喪中の時のお中元やお歳暮

■送り先が喪中の場合
喪中の時控えた方がいいのは『お祝い事』です。お中元やお歳暮は、日頃お世話になっている方への御礼と季節の挨拶でお祝い事ではないので贈っても差し支えはありません。ただし白無地の短冊などに「御中元」や「御歳暮」と書いて贈るようにします。
また、不幸があったばかりであれば49日の法要後か忌明け後にしたほうがいいでしょう。もし、49日が過ぎていない場合や、相手があまりにも落ち込んでいるときなどは、少し時期をずらし『暑中御見舞・残暑御見舞・寒中御見舞』などで贈ると良いでしょう。
■贈り主が喪中の場合
先方に不幸があったわけではないのでお歳暮を贈っても結構です。ただ相手先によっては喪中であることを気にされる方もいらっしゃいますので、49日の忌明け後に水引をかけずに贈るといいでしょう。
参考:最新版すぐ役立つ贈答のルールとお金の事典(21世紀マナー研究会 法研)
香典返しに商品券

香典返しに何を贈るべきかと考えて、商品券を検討されることもあるでしょう。香典返しに何を贈るかというのはあまり重要ではなく、どう感謝の気持ちを伝えるかが大切だと思います。
ただし、商品券の場合は、露骨に金額が分かるので、抵抗があるという方もいらっしゃいます。その地域の習慣なども配慮しながら、ご一考いただくのがよいでしょう。
そこで、当店では金額が分かりにくく、先様がお好きな品物を選べるカタログギフトをおすすめしています。
香典返しが遅れた場合
通常、忌が明けて2週間以内位に届くように香典返しを準備されますが、うっかり手配が遅れてしまったり、取り込む事情等があり遅れた場合は、挨拶状に「ご挨拶が遅れた旨のお詫び」を一言付け加えて贈るようにしましょう。
関連記事:香典や香典返しが半年後になってしまった時のマナー、挨拶状について 「香典返しが遅れた場合の挨拶状の文例は?」
月日がたってからお香典をもらった場合
忌明け後にお香典をもらった場合はすぐにお返しを準備しましょう。品物と一緒に添える挨拶状はお心遣いのお礼とさっそく仏前に供えさせていただきましたなどの言葉を添えるとよいでしょう。
関連記事:香典や香典返しが半年後になってしまった時のマナー、挨拶状について 「遅れていただいた香典のお礼状の文例は?」
香典返しをもらった時のお礼
香典返しの品物を受取ってもお礼の電話や手紙を書いたりすることは控えるのがマナーです。
ただ、送った方は、着いたかどうか気になるでしょうし、四十九日が過ぎると人気も絶えて寂しさが募るころですから、ご遺族の方との親交が深い間柄であれば、励ましの手紙を書いたり、電話をするのもよいでしょう。
初盆・新盆の流れと準備
初盆・新盆の返礼品をご用意いたしました。以下のバナーをクリックいただくと専用ページが表示されますので、お好みの商品をお選びいただけます。
初盆・新盆について
告別式を終え四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆のことを「新盆(にいぼん)」又は「初盆(はつぼん)」と呼びます。
故人が仏になって初めて里帰りするということで、身内や親しい方を招いて僧侶にお経をあげてもらい盛大に供養します。また、四十九日の忌明け前に盆を向かえた場合は、新盆は翌年になります。
初盆・新盆の流れ
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施主は簡単に始まりの挨拶をします | 僧侶の読経が終わった後、ご焼香を済ませます。 | 墓地が近い場合はお墓参りをします。 | 施主のお礼の挨拶の後、会食(御斎)となります。 |
初盆・新盆の準備
お盆の時期・期間は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間行われます。お寺への連絡 | 初盆の場合には、なるべく早く菩提寺に連絡をします。 菩提寺とは、先祖代々の墓をお願いしているお寺をさします。 霊園、墓地などを利用している御家庭では、葬儀の際に世話になったお寺に 依頼すると良いでしょう。・念のため、白提灯の供養の仕方も確認しておきます。 |
料理の手配 | 法要のあと会食がある場合には、料理の手配または用意をします。 仕出しなどを予約する場合には、おめでたい伊勢海老や、鯛などの献立は 避けた方がよいので、予約の際には「お盆の法事で利用します」と、利用目的を 告げましょう。 |
案内状の手配 | 初盆だけは、親族だけでなく知人や友人たちを招いて法要を行うのが一般 的 です。お葬式のときに記帳して頂いた会葬者名簿などをもとに案内状を出します。 また、会社関係などで執り行うお盆の法要の場合には、往復ハガキや返信用の はがきを同封した封書などで、案内状を用意し、出欠をたずねます。 |
引き出物の手配 | 初盆にはお参りに来られた方や初盆法要に出席していただいた方に対して引き 出物をお渡しするようにします。引き出物には持ち帰りのことを考えて軽くてかさ ばらない食品や日用品が良いでしょう。お好みの品を選べるカタログギフトはお すすめです。 |
お布施の用意 | 僧侶にはお礼をお渡ししなくてはなりませんが、僧侶が法要のあとのお食事 (お斎)に同席して下さる場合には、御布施または御経料、お車代の2つを用意 します。もし、僧侶がお斎を辞退されたら、御布施または御経料、お車代のほか に、御膳料を加えた3つをお渡しします。 |
初盆・新盆の熨斗
のしの表書きは、「初盆」「志」「初盆志」などとし、水引きは蓮入り、蓮なし結び切り・黄白を用います。
初盆・新盆 | |||
のしの種類 | のし上 | のし下 | 備考 |
蓮入り 蓮なし 黄白 |
初盆 志 初盆志 |
施主名・○○家 | 仏式 |
初盆・新盆のお供え物とお花の豆知識
お供え物のきゅうりとナスの意味は…先祖の霊が「きゅうりの馬」に乗って一刻も早くこの世に帰り、「なすの牛」に乗ってゆっくりあの世に戻って行くようにとの願いを込めた供え物です。

新盆のお花は…
御仏前にお供えするお花は、枕花程度の一般的なお供え花になります。色や形、お花の種類に特別決まりはありません。 亡くなってからあまり日が経っていないという配慮から、白を基調に淡い色調でまとめたご供花をお贈りすることが一般的です。

日本の三大宗教 仏教・神道・キリスト教
1. 仏教

日本の宗教の大部分を仏教が占めており、その宗派は主に13派に分かれています。
華厳宗(けごんしゅう)
736年審祥(しんしょう)により伝えられ、金鐘寺(後の東大寺)にて講義を行い、その思想が反映され東大寺盧舎那仏像(奈良の大仏)が建立されました。「一即一切、一切即一」、「無尽縁起」全ての世界は、ただ心によって現出するものであり心を離れては何も存在していないと説かれています。
天台宗(てんだいしゅう)
806年伝教大師最澄(さいちょう)により開かれた宗派で日枝山寺(後の一乗止観院)を創建。後に比叡山延暦寺(総本山)と呼ばれるようになりました。禅(禅定)・円(法華)・密(密教)・戒(戒律)の四宗融合ともいわれる。どんな方法でも真実を探し求める心(道心)があれば、そのままそれが悟りに至る道としている。
法相宗(ほっそうしゅう)
玄奘三蔵(西遊記の三蔵法師)が印度で修得し、淄州大師(ししゅうだいし)、撲揚大師(ぼくようだいし)から、道昭、智通、智達、智鳳、智鸞、玄に伝えられました。阿頼耶識(あらやしき)末那識(まなしき)という深層意識を自分の中に見つけ出すことで仏に近づこうとする非常に哲学的な難しい教えです。
律宗(りっしゅう)
753年鑑真(がんじん)が東大寺に戒壇(かいだん)を開き日本で初めて戒律を授け、唐招提寺を本拠とした南都六宗の一つです。※戒壇とは戒律を受けるための場所で授戒を受けることで出家者が正式な僧尼として認められる。
臨済宗(りんざいしゅう)
白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師が確立し、自覚(悟り)のために坐禅を修し、公案を用い、動的坐禅としての作務を行ずる、すなわちお釈迦さまが摩訶迦葉尊者に伝えられた正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)、涅槃妙心(ねはんみょうしん)ということです。
曹洞宗(そうとうしゅう)
鎌倉時代に道元禅師が中国から日本に伝え瑩山禅師が全国に広められました。 坐禅を修行の基本として坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎこそ「仏の姿」であると自覚することにあります。
黄檗宗(おうばくしゅう)
中国の隠元禅師から伝えられた黄檗宗は臨済宗禅宗で念仏を唱える念仏禅を特徴とするが南無阿弥陀仏を「ナムオミトフ」、般若心経は唐音で読み「ポゼポロミトシンキン。カンツサイプサ、ヘンシンポゼポゼポロミトス」となる。
日蓮宗(にちれんしゅう)
お釈迦さまの教えの中で法華経が絶対最高の教えであると考え、法華経は本仏の声そのものであり「法華経の内容をすべて信じ帰依する」という意味の「南無妙法蓮華経」を唱えることを何よりも重要な修行としています。
融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
天台宗の僧侶である聖応大師良忍が開宗した融通念仏宗は念仏はすべてのものにとけあうとする考えに立ち、口称の念仏で浄土に生まれると説くものいう融通念仏思想。総本山は大念仏寺。
時宗(じしゅう)
心のままに何も期待せずに「南無阿弥陀仏」とお唱えするお念仏が一番大事なこと。日々の生活の中の時の一瞬が充たされるなら人の世は正しく生かされて明るさを増し皆倶に健やかに長寿を保つことになり浄土への道はそこに開かれるとする教えです。
浄土宗(じょうどしゅう)
法然上人により開宗された浄土宗は『無量寿経(むりょうじゅきょう)』『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』『阿弥陀経(あみだきょう)』の浄土三部経(さんぶきょう)をよりどころとし、「南無阿弥陀仏」を称えることで往生を願うとされています。
浄土真宗(じょうどしんしゅう)
親鸞聖人により開宗された浄土真宗は日本で最大の宗です。阿弥陀仏の本願力を信じ、念仏(南無阿弥陀佛、なむあみだぶつ、なもあみだぶつ(本願寺派))を称えることで信心を得て浄土往生が定まると説きます。
真言宗(しんごんしゅう)
空海(弘法大師)によって開宗された真言宗は真言陀羅尼宗(しんごんだらにしゅう)、曼荼羅宗(まんだらしゅう)、秘密宗(ひみつしゅう)とも言われ密教を基盤としています。教えの中心となるのが即身成仏で「この身このままで仏に成る」ということ。 日々の生活の中で仏様のような行いをし、仏様のような心で過ごせば、争いもない平和な世の中になるという教え。
2. 神道(しんとう・かんながらのみち)

日本固有の文化に起源を持つとされる宗教で、山や川、滝、高木などの自然や自然現象を畏れ敬い、唯一神を持つ多くの西洋宗教とは異なり、一般的に多神教と呼ばれる。
皇室神道(こうしつしんとう)
宮中三殿(賢所(かしこどころ、けんしょ)、皇霊殿(こうれいでん)、神殿(しんでん))で天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的におこなう宮中祭祀を中心とした神道。
神社神道(じんじゃしんとう)
2次世界大戦前は国家の管理下にあったが大戦後に神社を中心に氏子・崇敬者などによる組織によっておこなわれる祭祀儀礼をする信仰形態である。
教派神道(神道十三派)(きょうはしんとう)
神社神道と区別された明治政府公認の神道系宗教教団13派。 神道大教、黒住教、神道修成派、出雲大社教、枎桑教、實行教、神道大成教、神習教、御嶽教、神理教、禊教、金光教、天理教。
古神道(こしんとう)
仏教、儒教、道教、渡来以前の日本の宗教で主に記紀・祝詞(のりと)・万葉集などの古典に表れた思想を中心とする信仰。
3. キリスト教

世界における信者数は20億人を超えており、すべての宗教の中で最も多く、日本では約260万人の信徒がいると言われています。
カトリック
バチカン市国に総本山を構え、ローマ教皇を中心とするキリスト教教派のことです。日曜教会で神に祈りを捧げる儀礼の中でも特別重要なものを「ミサ」と呼びます。
プロテスタント
カトリック教会から分離し福音主義を理念とするキリスト教諸教派のことです。自由に聖書を解釈するキリスト教の宗派で、何十、何百もの宗派があると言われています。
東方正教会
中近東、東欧を中心に広がりを見せた、世界最古のキリスト教教派と呼べる中のひとつです。それぞれの国の独立した教区の中で、長司祭・司祭・輔祭などの縦割り社会が存在しているが相互の連携が頻繁に行われているのが特徴です。
日本の葬儀 - 宗教別葬儀の流れ -
仏式葬儀

日本でもっとも多く行われている葬儀のことで、約90%以上の方が仏式にて行います。宗派により多少の違いがあります。
仏式葬儀の流れ
- 参列者・喪主・遺族着座
- 導師(僧侶)着座
- 開式
- 読経
- 弔辞・弔電
- 喪主⇒遺族⇒親族の順に焼香
- 参列者焼香
- 導師(僧侶)退場
- お別れの儀(献花・故人の愛用品などを納め釘打ちする)
- 遺族代表挨拶
- 出棺
神式葬儀
仏式では故人を極楽浄土に送るための葬儀ですが、神葬祭は故人の御霊をその家にとどめて、家の守護神となってもらうための儀式です。
神式葬儀の流れ
- 参列者・遺族着座
- 斎主(神官)入場
- 開式の辞
- 修祓の儀(お祓い)
- 降神の儀・献餞
- 斎主祭詞奏上
- 祭詞奏上(斎主)
- 弔辞・弔電奉読
- 玉串奉奠
- 斎主一拝
- 斎主(神官)退場
- ご遺族代表挨拶
- 閉会の辞
キリスト教式葬儀
キリスト教は死はすべての終わりではなく故人の与えられた生涯を神に感謝し、全知全能にして聖なる愛である神に委ね、神への礼拝という考え方です。
故人への愛と敬意の表現とともに、遺族に対する慰めと励ましを目的としています。(宗派・教会によって葬儀の流れは多少異なります)
葬儀の流れ(カトリック)
- 祈祷
- 聖歌合唱
- 撒水(聖水を棺に注ぐ儀式)
- 撒香
- 祈祷・神父の追悼説教
- 聖歌合唱
- 弔辞・弔電拝読
- 葬儀委員長・遺族代表挨拶
- 撒水
- 一般参列者の献花と賛美歌(聖歌)
- 出棺
無宗教葬儀(自由葬)
特定の宗教・宗派に捉われない葬儀で自由に形を決めて葬儀を進行していくことが出来ます。
生前故人が好きだった音楽を流したり、思い出の品や写真を飾ったりするケースもあります。
自由葬の流れ(例)
- 親族・参列者着席
- 開式の辞
- 黙祷
- 弔辞・弔電の奉読
- 生前故人の好んだ歌曲(生演奏やビデオなど)
- 葬儀委員長・施主・親族・参列者の順に献花
- 葬儀委員長の挨拶
- 喪主・親族代表のの挨拶
- 閉式の辞
家族葬・密葬
近親者と本当に親しかった方を中心に営まれる葬儀を家族葬と言います。近年、家族葬が主流になる要因として核家族化や高齢化が進み、近所付き合いが少なくなった事や会葬者の減少などがあります。
また、気遣いや対応に追われることなく、ゆっくりと本人と別れる時間をもち親密に送りたいという想いがあるようです。
社葬
企業の創設者や社長、役員、業務遂行中に亡くなられた社員の功績を讃えるために遺族と一体となり追悼する行事の事です。
最近では規模や形式にとらわれず、故人を温かくお見送りしたいという気持ちを重視し、ホテルなどで「偲ぶ会」や「お別れ会」という形で社葬を希望されるケースも増えています。
自然葬

遺灰を海や山などの自然に帰し、大きな循環の中に回帰していこうとする葬法を自然葬といいます。
風葬、鳥葬、水葬、火葬、土葬、植樹葬、冷凍葬なども自然葬ととらえます。
自然へ帰りたいという思いが増えているのもありますが、核家族化や少子化により墓地や納骨堂の管理の問題や子供や孫に墓守の負担をさせたくないとの想いから自然葬を望む風潮が強くなってきているようです。
初七日後~七七日忌(忌明け)法要前日までの流れ
初七日が終わったら、四十九日(忌明け)法要まで七日毎に身内の方がお参りに来られるお逮夜をします。
二七日(ふたなのか)、三七日(みなぬか)、四七日(よなぬか)、五七日(いつなのか)、六七日(むなのか)、七七日(しちしちにち)←四十九日となり、この期間に四十九日(忌明法要)の準備を進めていきます。
1. 芳名帳(香典帳)の整理
いただいたお香典や供物、供花、弔電等のリストを作成します。
住所・氏名・電話番号・金額などの項目に合わせて整理します。芳名帳の整理は時間がかかり大変なので早めに済ませておきます。 このリストを基に四十九日(忌明け)法要の参列者や返礼品を準備していきますのでモレがないように注意しましょう。
2. 忌明法要の日時と場所を決める
僧侶と相談の上、命日前に参列者が参加しやすい日時を選びます。
35日で忌明けをされる場合は初七日頃には相談されたほうがいいでしょう。自宅以外のお寺やホテル、公共施設などでお考えの場合は早めに会場をおさえるようにします。
3. 参列者のリストアップと案内状の作成
芳名帳(香典帳)整理でリストアップした資料を基に忌明法要の参列者を決めます。
人数が決まったら、遅くとも忌明法要の2~3週間前には届くように案内状を作成し発送します。また、電話連絡という方法をありますが後で見直しができるように案内状を出すほうが親切です。
4. 忌明法要の料理・備品の手配
忌明法要にお出しする料理や備品の準備します。
ご自宅で行う場合は茶出しや湯飲み、小皿、コップ、灰皿、座布団、テーブルなどの備品も事前にチェックして不足のないようにします。
5. 忌明法要の参列者にお渡しする引き出物・引き菓子の手配
参列者が決まったら、人数分のお持ち帰りいただく引き出物・引き菓子を手配します。
6. 香典返しの引き出物・引き菓子の手配
芳名帳(香典帳)整理でリストアップした資料を基に忌明法要後に届くように手配するのが「香典返し」です。金額別に3~5種類位の品を選んで振り分けていくとよいでしょう。香典返しに相応しい品としてよく使われるのがお茶・洗剤/石鹸・タオル・カタログギフトなどでそれぞれ意味合いがありますが、近年は食品などの消耗品を送られる方も多くなりました。
また、香典返しの引き出物には挨拶状を添えてお送りしますので商品を手配されるときに忘れずに頼むようにします。挨拶状には故人名や戒名(法名)、喪主名を入れるオリジナル挨拶状を作成することもできますのでご相談されるといいでしょう。忌明法要後、1週間~2週間以内で届くように手配しておきます。
7. 位牌の準備やお仏壇の掃除
お仏壇の掃除をしておき、位牌は白木から塗りの位牌に交換されたほうがいいでしょう。お仏壇の掃除の仕方によっては傷つけてしまう場合もありますので、仏壇専用の毛ばたきや乾いた柔らかい布でから拭きして下さい。(毛ばたきで芯がでているものは傷がついてしまう可能性がありますので注意してください)
また、お仏壇のないご家庭は忌明けまでにはご準備をしたいものです。
いずれにしても身内の方と相談しながら不明な点はお寺さんにも相談されるといいでしょう。
8. 最終確認
忌明法要の1週間前にはお寺さんとの最終確認、参列者の人数、お料理・引き出物・引き菓子の数を確認しておきます。 また、参列者の人数が多いときは予め席順を決めておくといいでしょう。
忌明法要(四十九日)の流れ

葬儀が終わってから七日毎に行ってきた中陰供養では故人が仏様になるための準備期間で、49日目の審判で運命が決まるとされています。この時期を「忌中」といい、四十九日を過ぎると「忌明け」となり、それまで喪に服していた遺族が通常生活に戻る日といわれます。忌明け法要は初七日と同様、大がかりな法要が行われます。
1.僧侶をお迎えする
僧侶が到着されたら、ご挨拶をし、上座へ着座していただきます。参列者は目上の方や故人に近い順に上座に座ってもらいます。
2.開式のご挨拶
主催者は開始の挨拶をします。
挨拶例:「本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。亡き○○もさぞ喜んでいることと存じます。これより、○○寺のご住職様のお導きにより、故○○の忌明け法要を行いたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。」
3.読経及び参列者のお焼香、法話
僧侶による読経が行われている間に参列者は焼香を済ませます。読経が済んだら僧侶の法話が行われます。
4.会食(お斎)
法話が終わったら、主催者はお礼の挨拶をし、僧侶や参列者にお礼の気持ちを込めたお食事をふるまいます。会食を設けない場合折詰料理と引き出物をお渡しします。
5.引き出物、供物、お菓子の配布
参列者に引き出物や供物、お菓子のお裾分けをお渡しします。持ち帰りに便利な手提げ袋や風呂敷を用意しておくとよいでしょう。
6.閉式のご挨拶
主催者は閉式の挨拶をします。
挨拶例:「本日はお忙しい中をお集まり頂きましてありがとうございました。お蔭様で○○の忌明け法要を無事終えることができ、○○も安心していることと思います。これからも変わらぬお付き合いを宜しくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。」
納骨の行い方・時期・流れ
ご遺体を火葬した後、骨壷に収めます。そしてしばらくの間は仏壇や祭壇などに安置し、その後、お墓や納骨堂などに納めることを「納骨」と言います。
特に納骨の時期に決まりはありませんが、通常は法要に合わせて納骨をする場合が多く、忌明け法要や一周忌に合わせて執り行われます。地方によっては、初七日のときや三回忌の時に納骨される場合もあります。
主な宗教ごとの納骨の時期や流れ
仏式
初七日から三回忌までに執り行います。
法要の後(僧侶による読経と焼香の後)墓地に移動します。お墓の周りの掃除や墓石を清めお花やお供え物をします。僧侶による読経行われ、故人とつながりの深い遺族から順番に焼香を行います。お墓の石蓋を開き(事前に蓋が開くことを確認しておき、開かない場合は自前に業者を手配しておきましょう)施主が納骨室に納めます。再び、僧侶による読経と参列者による焼香をし終了です。
キリスト教
カトリックでは追悼ミサの日、プロテスタントでは追悼ミサの時に執り行う場合が多いようです。
祈祷の後に遺族・近親者が聖歌(賛美歌)を歌い、献香や献花が執り行われます。
神式
五十日祭までの十日毎の霊祭の日から選びます。
お墓に銘旗(めいき・故人の姓名や官位を記した旗)を飾り、神饌(神に供える食べ物)、榊(さかき)や花を供える→神官によるお祓(はら)い→祝詞参上→玉串奉奠(たまぐしほうてん)→神官拝礼、参列者一同拍手(かしわで)を打つが一通りの流れですが、玉串奉奠のとき参列者による奉奠を省略する場合もあります。
納骨のあと
納骨のあとは、参加者で会食をする場合が多いようです(お斎)。
主催者はお礼の挨拶をし、僧侶や参列者にお礼の気持ちを込めたお食事をふるまいます。
会食を設けない場合折詰料理を用意します。
納骨後は、前述した「忌明け法要(四十九日)当日の流れ」を参考にして下さい。
必要なもの
埋葬許可証と印鑑を忘れないようにしましょう。
また、御布施などのお礼も忘れないようにします。
お花やお供え物などは各お寺や教会、神社で違ってきたりしますので必ず事前に確認するようにしましょう。
納骨のスタイル
お墓に納骨する・・・一番一般的な納骨です。
納骨堂に納骨する・・・火葬の後に遺骨を納める建物を納骨堂と言います。
一般的には、建物の中に遺骨を納めるロッカーのような形式のスペースがあり、契約した場所に入れます。仏教だけではなく、キリスト教や新道にも同じような施設があります。
その他の納骨・・・主に散骨や樹木葬がありますが、増加傾向を背景に思わぬトラブルの原因となる場合がありますのでよく調べてから執り行うことをおすすめします。