自分の好きな商品に換えることができるのが、商品券やギフトカードの魅力です。では、香典返しに商品券やギフトカードを贈っていいのでしょうか?
ここでは、香典返しに商品券を贈ることはマナーに反するかどうかについて、詳しく解説します。
目次
自由に使えて便利な商品券
香典返しの品物は何がいいのか、特にいただいた香典の額が人によって異なる場合は、それぞれ金額に応じて相手に合った品物を選ばなくてはならず、悩むことも多いでしょう。
そんなときに便利なのが、商品券やギフトカードです。
商品券は、贈った相手が自分の好きな品物を選べる点がなによりのメリットです。贈る側としても相手がどんな品物なら喜んでくれるかなど、あれこれと考えなくて済みます。
贈り物に商品券は失礼にあたるケースも
商品券は便利ではありますが、贈り物としてはマナー違反と考える人もいます。
商品券は、金額が書かれている、いわゆる「金券」であり、さまざまな商品と交換ができるという点で現金とほぼ同じといえます。
一般的に、商品券や金券は会社などで功労賞的に用いるのは問題ありませんが、目上の人には贈らないようにしたり、お祝いのお返しなどには使わないというマナーがあります。
これは、もともと現金を目上の人に差し上げることは失礼とされていたり、お祝いの品に現金でお返しをすると品物を選ぶ手間を省いたのではないか、と思われる可能性があるためです。
このような理由から、現金とほぼ同じ扱いの商品券は、お返しの贈り物としては控えるべきという考え方があります。
香典返しに商品券はふさわしい?
香典返しとして商品券がふさわしいかどうかについては、さまざまな意見があります。
商品券やギフトカードが香典返しとして、はっきりマナー違反というわけではありません。
贈った相手がどう受け取るかによるでしょう。香典を贈った相手から香典返しとして商品券を贈られるのは、現金を返されるのと同じに感じる人もいます。
商品券を贈った場合、失礼と思われる人、例えば目上の人やご年配の人などには贈ることを避け、商品券を贈って喜ばれる人、例えば、近しい身内や若い人など、相手に合わせて使い分けるとよいでしょう。
商品券のおすすめの送り方や注意点について
のしや手書きの挨拶状・お礼状を添える
商品券だけをポンと送った場合、貰った方はなにか味気無さを感じるかもしれません。
できれば、一筆添えてみてはどうでしょうか。一般の香典返しにも挨拶状を添えることがありますが、挨拶状のひな型を利用して、自分なりのアレンジを加えて手書きの挨拶状を添えてみましょう。
相手に対して失礼な気持ちで商品券を贈ったのではないということを挨拶状で伝えることができます。
また香典へのお返しということが相手に伝わるよう封筒に入れましょう。お返しの意味を持つ「志」と書かれた不祝義袋に入れるなど、表書き・のしのマナーを別記事でご紹介していますのでご覧ください。
参考:【図解】身内が亡くなったときの届出と手続きのすべて 2022年版(宮田浩志 マイナビ出版) 34ページ
商品券の枚数は偶数を避けるべき?
慶事における贈り物の金額は、「2」や「4」といった偶数はなるべく避けた方がよいとされてきました。
偶数は人との縁が切れてしまうと考えられたからです。
また、死や苦しみを連想させる「4」や「9」も好まれる数字ではありませんでした。
現代では、このような考え方は薄れてきてはいますが、気にされる方がいるかもしれませんので、香典返しの商品券も2枚や4枚、9枚といった枚数は避けておくのが無難です。
商品券の種類や金額は使い勝手を考える
商品券を使う側の立場に立って、できるだけ全国で使えるものを選ぶことも重要です。
商品券によってはお釣りが出ないこともあるので、例えば、高額な商品券1枚や2枚よりも、千円券など使いやすい金額を複数枚用意するなど、相手を気遣った商品券を選ぶとよいでしょう。
親族の相手によって贈り分ける
親族のなかでも、相手によって贈り分ける方法もあります。叔父や叔母など年上の方には定番商品のタオルや食品を贈り、義兄弟や甥など若い世代には商品券を贈るという方法もあります。
相手が商品券を使いやすい地域に住んでいるかなども考慮するとよいでしょう。
商品券と品物を組み合わせる
また、香典返しに商品券を使う場合、商品券だけを贈るのではなく、何かの品物と合わせて贈ってみるのも一つの方法です。具体的な品物と合わせることで、お返しというイメージをより強く印象付けることができます。
高額な香典への香典返しについては、以下の記事をご参照ください。
好みの品物を選べるカタログギフトもおすすめ
お相手に好みの品物を自由に選んでもらうことを意識するなら、カタログギフトがおすすめです。カタログギフトは幅広い価格帯が用意されており、それぞれの価格に合った品物が多数掲載されていますので、まずお好みのものをお選びいただけます。
特に価格が明らかな商品券と比べると、カタログギフトは価格がはっきりとはわからず、ギフトという印象が強くなります。商品券を受け取ることに抵抗があるという人も、カタログギフトなら喜んで受け取ってくれるでしょう。
商品券やギフトカードを検討されている場合は、カタログギフトも検討してみてはいかがでしょう。
参考:クロワッサン特別編集 身内が亡くなったときの手続き(マガジンハウス) 24ページ
まとめ
・商品券は現金と同じ扱いなので、贈られたら失礼と思う人もいるので要注意
・商品券を贈るときは、お礼状を一緒に添えると印象が変わる
・好みの品物を選べるカタログギフトも検討してみては