葬儀の際、会社や職場の同僚や社長、取引先などから香典をいただくことがあります。会社関係への香典返しは、いただいた相手によってお返しの方法が異なることがあります。
ここでは、それぞれのケースごとに香典返しのマナーについてご紹介します。
目次
会社の人から香典をいただいた際のお返しはどうすべき?
名義が「会社名+役職名+名前」の場合、香典返しは不要
まず、会社の人から香典をいただいたときは香典袋(不祝儀袋)の名義を見て、誰からいただいたかを確認します。
名義が「会社名」だけの場合や「○○会社 代表取締役○○」のように「会社名+役職名+名前」になっている場合は、総務部などから形式的に贈られていることがあります。
これは、会社の就業規則で「慶弔規定」を設けている会社では、社員の身内に不幸があった場合はその規定に基づいて社員に香典を出すためです。
慶弔規定に基づいて支払われる香典は、福利厚生費として扱われるため、香典返しは不要です。
また、会社から贈られる供花や弔電についても同様で、お返しの必要はないでしょう。
会社の規則がよく分からない場合は、上司や総務部の担当者などに確認しておくと安心です。
参考:親の葬儀とその後事典 : 葬儀法要・相続・手続きのすべて(黒澤計男、溝口博敬 法研) 85ページ
会社の社長や上司・同僚などから個人名で香典をいただいた場合
会社の社長や上司、同僚、取引先などから個人名で香典をいただいた場合は、通常どおり香典のお返しをします。
会社の就業規則に慶弔規定がない場合も、個人で香典を出していることになりますので、通常通りお返しをします。
葬式が終わった後の忌引き休暇明けに、葬儀に参列いただいた場合はそのお礼と、香典をいただいたお礼を兼ねて、香典返しの品物を持って挨拶をするのがよいでしょう。
また、仕事を休んだことで迷惑をかけた場合には、そのお詫びもします。
社内で香典返しの品物を手渡しする場合は、先に部長、次に課長というように役職順にお渡しします。早めに出勤して勤務時間前に渡しておくとスムーズです。
香典返しを手渡す際の挨拶に関する詳しい内容は、以下の記事をご参照ください。
取引先の会社への香典返しはどうすればいい?
取引先の会社の方も同様に香典袋の名義が個人名の場合は、通常通りのお返しをします。
取引先の方からの香典が「会社名+役職名+名前」の場合は、個人で香典を出していても、故人や遺族との関係性を示すためにあえて会社名や役職名を記載していることがあります。
また取引先の会社で、上記のような就業規則や慶弔規定がどのようになっているか分かりません。
そのため、取引先の方からの香典の名義が「会社名+役職名+名前」の場合は、香典返しに記載されている住所と名義宛てに、通常通り香典返しの品物をお送りするのがよいでしょう。
会社関係への香典返しはいつ渡す?
香典返しは、49日が明けた忌明け後にお贈りするのが本来のマナーですが、会社関係の方へのお返しは葬式を終えた後、忌引き休暇明けに出社した際にお詫びとともにお渡ししても問題ありません。
取引先や遠方の方など、もし香典返しを会社で手渡ししない場合は、四十九日法要が終わった後に宅配便などで品物を送ります。
その場合は、品物に挨拶状を添えて送るようにします。
香典返しの挨拶状の詳しい内容については、以下の記事をご参照ください。
職場一同や連名のお返しにはお菓子がおすすめ
会社や職場の方から、個人名ではなく「○○部一同」や「○○課有志」、複数名の「連名」などで香典をいただくことがあります。
このケースでは1人ひとりの香典は少額の場合があります。1人あたり1000円~3000円といった少額の場合には、お返しは必要ないという考え方もあります。
しかし、自身が休みを取ったことで迷惑をかけていることもありますから、そのお詫びとお礼の気持ちを込めて、忌引き後にみんなで食べられる個包装のお菓子などをお渡しするとよいでしょう。
会社や職場の方から、1人あたり3000円の香典をいただいたケースであれば、香典返しの専門店なら1000円前後の品物も販売されていますので、そういった品物を選べば半返しとなります。
また、葬儀の際に会社の方が受付や駐車場の誘導などを手伝ってくださることもあります。この場合は、「御礼」または「志」の表書きで、2000円~5000円くらいの品物か現金を添えてお礼の気持ちを伝えるとよいでしょう。
香典返しにお菓子を贈る場合の注意点や辞退の際の対応については、以下の記事をご参照ください。
参考:クロワッサン特別編集 大切な人を亡くしたあとの手続き(マガジンハウス) 22ページ
会社の方に香典返しを渡す際の挨拶の例
忌引き後に、会社の上司などに香典返しをお持ちして挨拶する場合は、次のような内容を盛り込むとよいでしょう。
・休みをいただいたことへのお詫び
・今日から仕事に復帰すること
・香典返しを持参したこと
これらをもとにした挨拶の例としては、以下のようになります。
お陰様で無事葬儀を終えることができました。
休み中はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。
本日から業務に戻らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
ささやかですが、供養のしるしをお持ちしました。」
また、普段から業務上、社内メールでやりとりをする会社で、忌引き後に顔を合わすタイミングがなければ、メールでお礼の言葉を述べてもよいでしょう。
メールで香典のお礼を述べる場合の注意点や例文は、以下をご参照ください。
参考:新版 葬儀・法要のあいさつ すぐに使える実例付き(藤村英和 西東社) 79ページ
多数の会社関係者へのお返しは香典返しe-shopが便利
香典返しe-shopでは、会社や職場の多数の方へのお返しをエクセルファイルなどで簡単にご注文できるサービスをご用意しております。
エクセルならお届け先住所のリストなどからコピー&ペーストで簡単にご入力してご注文いただけます。
もし手書きのお届け先リストがあれば、撮影画像をメール等でお送りいただいて、ご希望商品や挨拶状、のし、包装紙などを別途ご連絡いただいても結構です。
手書きの方がご都合がいい場合は、注文用紙に手書きで記入してファックスで送信する方法もあります。
また、さまざまなケースに対応できる、のしや挨拶状、包装紙などをきめ細かくご用意しております。
香典返しの注文に関するお手間が大幅に省略できますのでぜひ当店のサービスをご利用ください。
まとめ
・会社の就業規則で慶弔規定がある場合は香典返しをしなくてもよいケースがある。
・社長名や個人名義で香典をいただいたら、半返しの香典返しをする。
・忌引き後に出社した際に、香典返しの品物を持ってお礼とおわびを兼ねて挨拶をする。
・少額で連名の香典には、皆で分けられるお菓子がおすすめ。
・大量注文の場合は、香典返しの専門店のサービスを利用すると便利。