故人が亡くなって、ちょうど一年目にあたるのが一周忌です。初七日や四十九日の法要に続き、親族や多くの知人を招いて故人を偲ぶとともに、喪中の期間が終わる大事な法要です。
ここでは、一周忌法要のお返しや、引き出物の相場やのし、品物の選び方、渡し方などのマナーについて解説します。
目次
一周忌とは?
一周忌(いっしゅうき)は、亡くなってからちょうど一年経った同月同日、祥月命日(しょうつきめいにち=なくなった日と同じ月日)に行う年忌法要です。一周忌は年忌法要の最初の年となります。
ただし、一周忌法要を執り行う日は、参列者の都合を考えて、命日の直前の土曜や日曜に行うのが一般的です。
なお、四十九日法要を終えると忌明け(きあけ)となりますが、一周忌までが喪中(もちゅう)とされ、一周忌を終えると喪の期間が終わります。
参考:クロワッサン特別編集 身内が亡くなったときの手続き(マガジンハウス) 20ページ
一周忌のお返し・引き出物はいつ渡す?
一周忌法要に招かれると、参列者は遺族に金品やお供え物を贈ります。
金品を贈る場合の不祝儀袋は、四十九日までは「御霊前」や「御香典」を使い、忌明けとなる四十九日法要や一周忌・三回忌などの年忌法要では「御仏前」や「御供物料」として贈ります。
一周忌法要の施主は、これらに対するお礼として参列者にお返しの品物を贈ります。
一周忌のお返しの品物の掛け紙には、「志」や「粗供養(そくよう)」と記してお渡しします。
お返しの品物は、当日お持ち帰りいただくことから、「引き出物」や「引き物」とも呼ばれています。
参考:詳解空海と真言宗(福田亮成 学研パブリッシング) 188ページ
お返し・引き出物の渡し方は?いつまでに贈る?
法事の引き出物は、お斎(=おとき・会食)を終えた後か、お帰りの際にお渡しします。
会食をホテルやレストランで行う場合は、事前にスタッフに伝えておいて、席を立つ前に渡してもらう方法もあります。
お斎がない場合は、折り詰めやお酒とともに、引き出物の品物をお持ち帰りいただくこともあります。
また、当日法事に参列されなかった方や多額の香典をいただいた場合へは、一周忌法要から1カ月以内くらいまでに、お返しの品物を郵送や宅配便で贈るようにします。
引き出物は住職にも必要?
読経をお願いしたご住職(僧侶)にも、他の参列者と同様に引き出物を用意するのが一般的です。
お布施やお車代とともにお渡しします。
住職へのお礼について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
家族・親戚だけなら引き出物はなしでいい?
同居している家族(親や兄弟、子ども)のみで一周忌法要を行う場合は、引き出物は必要ありません。
ただし別居している親戚・親族を招いた場合は、身内であっても引き出物をお渡しした方やよいでしょう。
お返し・引き出物の金額の相場
一周忌のお返しはお斎と引き出物を合わせて、御仏前とお供えの合計額の5割前後で調整するとよいでしょう。
例えば、いただいた御仏前(香典)が2万円で、お斎が5000円なら、引き出物は3000円~5000円前後のものを用意します。
ただし、地域によっては御前と引き出物でほぼ全返しをするようなケースもありますので、よく分からない場合は親戚などに事前に確認しておくと安心です。
また、法事に参列されずに香典のみをいただいた場合や多額の香典をいただいた場合は、後日宅配便や郵送などで、3分の1から半返しくらいになるようにお返しの品物をお贈りします。
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一周忌のお返しののしの書き方は?
一周忌の引き出物につけるのし(掛け紙)の表書きは全国的には「志」が一般的で、関西地方では「粗供養(そくよう)」と書くケースが多いでしょう。
水引は黒白または黄白(関西地方など)を使い、水引の下に施主の苗字または「○○家」と記載します。
参考:最新カラー版お墓と仏壇選び方・建て方・祀り方(主婦の友社) 107ページ
一周忌のお返し・引き出物に人気の品物は?
葬儀や四十九日の返礼品としては、消えものとしてお菓子や食品、お茶、調味料などのほか、洗剤や石鹸、タオルなどがよく選ばれますが、一周忌の引き出物はそれらに加えてあとに残るものを選んでもよいとされています。
地域や風習によっても違いますが、食器やお盆などの雑貨・日用品や、記念となるものをお渡しするケースもあります。
ただ、お持ち帰りいただくことを考えてあまり重いものやかさばるものは避けた方がよいでしょう。
一周忌の引き出物はカタログギフトも人気
最近は、贈り先様が好きな品物を選べるカタログギフトも人気です。持ち帰る際に荷物にならないというのも参列者への心遣いとして選ばれる理由の一つです。
商品券も贈り先様が好きな品物を選ぶことができますが、金額がはっきりとわかってしまうため、お相手が受ける印象を考えるとカタログギフトの方が無難でしょう。
一周忌の引き出物にはお菓子(引き菓子)を贈るケースも
一周忌の引き出物には、通常の品物に加えて「引き菓子」といってお菓子をお贈りすることもあります。
引き菓子には、一周忌の法事に出席いただいた方がご自宅に帰って、ご家族でお菓子を分かち合って亡くなった方を偲ぶという意味が込められています。
一周忌のお返し・引き出物に挨拶状は必要?
一周忌の引き出物は、基本的には手渡しでお礼を述べて渡すことが多いので、挨拶状(お礼状)は必須ではありません。
しかし、法事に参列されなかった方に郵送や宅配便でお返しの品物をお送りする場合は、挨拶状を添えて送るようにします。
挨拶状では、香典やお供え物のお礼と一周忌法要を無事終えることができたことをご報告します。
なお、香典返しe-shopでは、一周忌のお返しや引き出物にふさわしい挨拶状を無料でお付けしていますので、ぜひご活用ください。
まとめ
・一周忌の法要は、遺族の喪明けとなる大事な行事
・一周忌のお返しは、引き出物と会食を合わせて半返しとなるように準備する
・一周忌の引き出物は、引き菓子と呼ばれるお菓子を選んだり、あとに残るものを選んでもよい
・一周忌の引き出物を手渡しする場合は挨拶状(お礼状)はつけなくてもよい