一周忌とは、故人が亡くなってから満一年の命日に行う法要のことです。一周忌にはどのようなことを行うのでしょうか。
ここでは、一周忌に行われる主な行事の準備から一日の流れなどについて解説します。
目次
一周忌は最初の年忌法要
一周忌法要は、故人が亡くなった月日と同じ「祥月(しょうつき)命日、または祥月命日の前に早めの日程で行います。
本来は、亡くなってから満一年目の祥月命日と同じ月日に行いますが、遺族や参列者の都合を考え、満一年目の命日の前の土曜、または日曜に行うケースが多いです。
一周忌法要は親族、故人の友人、知人などのみで行うのが一般的ですが、もう少し広範囲の方にお声がけする場合もあります。
参考:心に響く葬儀・法要のあいさつと手紙&マナー(杉本祐子 主婦の友社) 141ページ
一周忌の準備
日程は早めに決めよう
早めに日程を決めて、場所や招待する人を決めます。法事のあとに会食を行う場合、料理なども手配しておきます。法要での食事は、お斎(とき)と呼び、鯛や伊勢海老などのご祝儀調理が入ることのないよう、法事で利用することを告げておきます。
なお、会食は必ずしも行わなければならないのではなく、行わなくても失礼には当たりません。お斎を行わず、法事のあとに、引き出物とお酒、折詰弁当などをお持ち帰りいただくこともあります。
日程が決まったら、早めにお寺にも連絡します。菩提寺があるときは菩提寺へ、特に心当たりがない場合は、葬儀や忌明けでお世話になったお寺にお願いするとよいでしょう。
案内状
一周忌の案内状を用意します。食事や引き出物などの都合もあるので、返信用はがきを同封(または往復はがき)で出欠を確認するようにします。
出席者の数が決まれば、食事・料理や引き出物の手配をします。
場所・食事の手配
日程を決めたら、場所(自宅、お寺、ホテルなど)を決めます。また、法事のあとの食事をするかどうかを決めます。御膳が用意できない場合は、引き出物と一緒に折り詰め弁当を用意します。
納骨
四十九日までにお墓の準備ができていなかったときなど、一周忌に合わせて納骨を行う場合もあります。この場合、墓地などの手配をします 。
お供え花・お供えもの
故人が好きだったお菓子や果物をお供えものとして用意します。 お花も一周忌では、白だけでなく、故人が好んだ明るい華やかなものを選んでもいいでしょう。
お寺への連絡・お布施について
一周忌法要のあとで僧侶に渡すお布施(お礼金)を用意します。
地域や宗派によって異なりますが、一周忌法要の御経料の相場としては3万円から5万円が多いようです。また、僧侶を自宅に呼んで法要を行うときは、お車代として別途5千円から1万円くらいを渡します。
その他、必要に応じて御車代(自宅に招いたとき)、御膳料(僧侶が用意した会食を辞退されたとき)などを用意します。
また、土曜や日曜は法事が重なることが多いので、お寺は忙しい場合も多く、会食(お斎)に出席している余裕がないこともあります。お寺にお願いするときに、「法要のあと、お食事を用意したいのですが、和尚様もご一緒いただけますでしょうか」などと事前に尋ねておきましょう。
僧侶が会食に出席しないときは、お布施とは別に、御膳料(お食事代)として5千円から1万円ぐらいを用意しておきます。
参考:もしもドットネット 「お寺様(僧侶)へのお布施の金額アンケート調査」
当日の服装
遺族は、礼服(喪服)を着るようにしましょう。基本的に男性は黒の上下に黒のネクタイ、女性は黒のスーツやワンピース、黒のストッキング、男女ともの黒の靴や鞄を持ちます。時計やアクセサリーは光るものを避けます。
女性の場合、真珠の着用は可です。ハンカチは白の無地を用意しましょう。
子供や学生は、制服があれば制服を着用します。黒や紺、グレー系をベースに白のシャツやブラウスを身に着けます。
参考:50代からの冠婚葬祭きちんとマナー(主婦の友社) 49ページ
一周忌の主な流れ
法要はお寺によっても異なりますが、一般的な流れとしては、まず僧侶を会場の仏壇の前に案内します。施主の挨拶のあと、僧侶による読経が始まります。読経が始まってから、施主を先頭に順番に焼香をします。読経のあと僧侶による法話があり、退場されて一段落となります。
僧侶がお斎に参加されない場合は、ここでお布施とお車代、御膳料の3つをお渡しします。
施主の挨拶のあと、会食(お斎)を行います。僧侶が出席されたときは、会食後にお布施とお車代をお渡しします。なお、一周忌には、最後に墓参りをすることもあります。
一周忌の引き出物
一周忌の引き出物につける熨斗(のし)は、表書きとして「志」または「粗供養(主に西日本)」と書きます。
また、のしに付ける水引は黒白、双銀などの結びきりで、下に施主の姓を書きます。
一周忌の引き出物としては、葬式や香典返しのときと同じように、石けんや洗剤、お茶、お菓子、海苔といった食品や実用品など、使われてなくなる「消えもの」が一般的です。
また、年忌法要の引き出物として「引き菓子」と呼ばれるお菓子をお持ち帰りいだたくケースもあります。
引き出物の金額について
引き出物の金額の相場は、香典としていただく3割から5割程度が適当といえるでしょう。
会食がない場合の一周忌の香典は、親族が1万円から3万円、血縁ではない知人・友人で5千円から1万円程度ですから、引き出物もそれに合わせて、3千円から1万円、2千円から5千円程度のものを用意しておくとよいでしょう。
まとめ
・一周忌は故人が亡くなった満一年目の祥月命日に行う
・一周忌の準備は、お寺などできるだけ早めの手配を
・お布施や、引き出物などの準備も忘れずに