仏式の法要に七七日忌というのがあります。これは四十九日とどう違うのでしょうか。まず「七七日」の読み方がわからないという人もいるかと思います。
ここでは、七七日の言葉の意味や成り立ち、法要の流れなどについて解説します。
七七日の読み方は?四十九日と同じ意味?
七七日には、「しちしちにち」「なななぬか」「なななのか」など、さまざまな読み方があります。
いずれも意味は同じで、四十九日のことを表しています。七七とは「ななじゅうなな」のことではなく、七が7つ、つまり49日という意味です。「なななぬか」は、昔の読み方で、平安初期に書かれた伊勢物語に四十九日の意味で「七七日(ななぬか)」という言葉が使われています。
参考:マドンナ古文常識217 パワーアップ版(荻野文子 学研プラス) 44ページ
仏教で「七」は大事な数字
仏教では、命日を起点として、七日ごとの日を忌日(きにち・きじつ)と呼びます。
忌日とは故人が亡くなった日のことで「命日」と同じ意味です。つまり、仏教では7日ごとに命日があるわけです。亡くなってから最初の七日目が「初七日(しょなのか)」といわれるのはそのためです。
本来は、初七日に始まり、7日ごとに法要を行っていました。14日目が「二七日(ふたなのか)」、21日目「三七日(みなのか)」、28日目「四七日(よなのか)」、35日目「五七日(いつなのか)」、42日目「六七日(むなのか)」、さらに49日目が「七七日」となるわけです。
なお、四七日と五七日(28日と35日)の間に、最初の月命日(つきめいにち)である初月忌(しょがっき・はつがっき)があります。 最初の月忌ですが、法要としては、初七日や四十九日ほどの重さはないといえます。
この「七七日」には、特に大事な四十九日法要をおこないます。
法要までのお供え物や、法要に必要なお布施については、以下の記事をご参照ください。
参考:しりあがり寿の死後の世界(しりあがり寿、寺井広樹 辰巳出版) 22ページ
七七日の数え方に注意
忌日の数え方は、関東では亡くなった当日から数えるのが一般的で、関西では亡くなる前日から数えることが一般的です。
七七日忌の法要を営む際、注意しなければいけないのは、関東と関西の双方から参列者を呼ぶ場合です。参列者には、あらかじめどちらの数え方で法要を行うのか、事前に日程を伝えておくようにしましょう。
お返しの表書きの「七七日忌明志」とは
四十九日の香典返しの表書きに「七七日忌明志」と書かれていることがあります。
一般的に「なななのか・きめいし」と読みます。七七日(なななのか)の忌明け(きあけ)の志(こころざし)という意味です。「おかげさまで、忌明け法要が無事に済みました」という感謝の気持ちを表した言葉です。
表書きとしては地域によって異なりますが、「七七日忌明志」は名古屋でよく用いられ、 関東では「七七日忌 志」「七七日志」が用いられることがあります。
一般的な香典返しの「のし」の表書きは
一般的な香典返しの表書きの書き方は、地域や宗派によってもさまざまです。狭い地域だけでなく、関東や関西など広い地域に香典返しを贈る場合は、七七日の数え方と同様に注意しなければなりません。
七七日忌を終えた後ののしの表書きとしては、「志」が一般的です。「志」のほかに仏教の場合であれば「忌明志」、西日本の場合は「満中陰志」、道やキリスト教は「偲び草」などが用いられます。心配な場合は「志」にしておけば間違いないでしょう。
参考:オールカラー 困ったときにすぐひける マナー大事典(現代マナー・作法の会 西東社) 200ページ
まとめ
・七七日と四十九日は同じ意味
・地域や宗派による数え方の違いに気を付けよう
・香典返しの表書きが心配なときは「志」を