香典返しに添える挨拶状は、四十九日の法要が終わるころに出す挨拶状を兼ねています。忌明けの挨拶となるので、文章の中身には気を付けたいものです。
ここでは、香典返しの挨拶状について、文章のマナーや書き方のポイントなどを解説します。
送る相手によって文面を変える
香典返しは、香典をいただいた方全員に送るものなので、香典返しに添える挨拶状も、親戚や友人、知人などのごく親しい人から、家族の会社関係の人や、家族の知人など、故人についてまったく知らない人に送ることもあります。
送る相手によって文面を変えるのがベストですが、全員に送る印刷の挨拶状と親しい人への挨拶状をさらに別に付けるようにすれば、なお一層喜ばれるでしょう。
一般への挨拶状は定型の文章で
定型の挨拶文は、「謹啓」や「拝啓」に始まり「謹白」や「敬具」で終えるものが多く、故人名や戒名、日付、喪主名などを必要に応じて差し替えるだけでOKです。
文章の中身や言葉遣いも、弔事のマナーに即した書き方をしています。
戒名のあり・なしや仏教・神道・キリスト教など、宗教に合わせたフォーマットもあります。それぞれ目的に合ったものを選べばいいでしょう。
また、定型文の挨拶状には、宗派を問わず使えるのもあるので、迷ったときはこれを使うのがよいでしょう。
参考:短くても気持ちが伝わる手紙・はがき・一筆箋きちんとマナーハンドブック(杉本祐子 主婦の友社) 182ページ
奉書式とはがき式・カード式
奉書(ほうしょ)とは、平安時代あたりから使われた命令書のこと。この奉書に使われた巻紙を奉書紙(ほうしょがみ)といい、現在も儀礼用や、神道の祝詞としても使われています。
奉書式は一枚の紙に右から左へ縦書きで書き、折りたたんで封筒に入れる形式です。
一方、はがき式やカード式は、はがきやカードの大きさにコンパクトに収めた挨拶状です。近年ではあまり形式にこだわらない人が増えていますので、内容がきちんとしていればはがき式やカード式でも特に問題ないでしょう。
香典返しの品物を販売するショップでは、挨拶状を付けてくれるケースが多いですが、購入際に挨拶状を付けてくれるか、また有料か無料かを確認しておくのがよいでしょう。
香典返しe-shopでは無料でカードタイプと奉書タイプの両方をご用意しております。ぜひご利用ください。
参考:心に響く葬儀・法要のあいさつと手紙&マナー(杉本祐子 主婦の友社) 86ページ
親しい人にはオリジナルの文章で
ごく親しい人には手書きでオリジナルの挨拶状を作成するとよいでしょう。
故人や施主のことをよく知っている親しい人には、故人の生前の人柄やエピソードに触れることで、より相手への感謝の気持ちを込めることができるはずです。
ただし、文章を書く時は、基本的に薄墨を用い、縦書きで、句読点を打たない、忌み言葉を避けるなど、忌時の基本的なルールは一般的な挨拶文と一緒なので注意しましょう。
ご挨拶
先般 父 友蔵の永眠の際は お心のこもったお悔やみの言葉を賜りまして
誠にありがとうございました
親しい皆様に見送っていただき 故人もきっと喜んでくれていることでしょう仕事熱心で 友人や家族を大切にし 囲碁が大好きな父でした
ふと縁側に目を向けると 腕組みをしながら
真剣な表情で碁盤とにらめっこしていた父の姿が
いまでも目に浮かんできます
おかげさまで七七日忌も滞りなく 済ませることができました
つきましては 感謝の気持ちとして 心ばかりの品をお届けいたします
これからも 何かとお世話になることもあろうかと思いますが
何卒よろしくお願い申し上げます。
令和○年○月
鈴木和夫
参考:心が伝わるお礼の手紙・はがきマナー&文例集(杉本祐子 主婦の友社) 180ページ
まとめ
・挨拶状は、定型文を活用しよう
・奉書式とはがき式・カード式を使い分けよう
・親しい人にはオリジナルの文章も添えて送ろう