香典返しを直接手渡しするときや香典返しをもらうとき、何と言えばいいのか迷うことがあります。特に相手が目上の方の場合は、失礼にならない言葉遣いを心がけたいものです。
ここでは、弔事の挨拶の基本的なマナーと、香典返しの渡すときや受け取るときの挨拶・言葉の例をご紹介します。
目次
弔事の挨拶の基本的なマナー
小さめの声で話す
弔事では何事も控えめが基本。通常の挨拶は「大きな声ではっきりと」が原則ですが、通夜や告別式などでは小さめの声で話すのがマナーとされています。また、語尾は聞き取れないくらいがちょうどよいともいわれています。もちろん、笑い声を立てたり笑顔をみせたりするのは失礼になります。
参考:衣食住のルールから仏事のマナーまで 13歳から身につけたい「日本人の作法」(「大人のたしなみ」研究会)
お悔やみでは忌み(いみ)言葉に気をつける
挨拶には使ってはいけない「忌み(いみ)言葉」があります。最近では昔ほど厳密にはいわれませんが、不幸が重なることを連想させる「重ね言葉」には気をつけたほうがよいでしょう。
「また」「くれぐれも」「ますます」「次に」などは日常会話でよく使われる言葉ですが、これらも重ね言葉ですので弔事の挨拶には使わないようにします。
また、忌み言葉は宗教によっても異なり、仏教の場合は「迷う」「浮かばれない」などが忌み言葉になります。
参考:誰からも気が利くと言われる一流の品格が身につく本(親川琴葉 SMART GATE)
お葬式での挨拶は簡潔に、お辞儀はていねいに
不幸があったときは、思うように言葉が出ないこともあります。そういうときは無理にあれこれ話そうとするよりも、心を込めてお辞儀をするほうが相手に気持ちが伝わることがあります。
例えば、葬儀に参列した際には「ご愁傷様でございます」などと簡潔に済ませ、ていねいにお辞儀をするように心がけます。
会社の上司や同僚に香典返しを手渡しするときの言葉
忌引き明けに香典返しを渡す際の言葉
会社の上司や同僚などから香典をいただいた場合は、四十九日を終える前の忌引き明けなど、葬儀後に初めて顔を合わせたときに香典返しを渡すことがあります。
職場の方にお礼を述べる際は、以下の要点を押さえておくとよいでしょう。
●忌引きで休みをいただいたことのお礼
●今後に向けてのご挨拶
お礼の言葉としては、以下のような言い方があります。
四十九日法要後、香典返しをお渡しする際の挨拶は?
香典返しを渡す際のお礼は要点を押さえる
香典返しは、四十九日法要後に挨拶状を添えて宅配便などで送るケースがほとんどですが、お世話になっている目上の方に、直接お渡しすることがあります。
お礼を述べる際は、以下の要点を押さえておくとよいでしょう。
●四十九日法要をすませたこと
●香典返しをお持ちしたこと
●今後に向けてのご挨拶
目上の方への口頭での挨拶例
四十九日を終えてから目上の方に香典返しを渡す場合には、以下のような挨拶を述べます。
近所へのご挨拶や香典返しはどうすればいい?
通夜や葬儀を手伝ってくれた近所の方や、人の出入りなどで騒がしくしてしまった近所の方へは、なるべく初七日くらいまでにご挨拶に伺います。
ご挨拶に伺うときの服装は地味な平服か、目上の方にご挨拶する場合は準喪服が無難です。
ご挨拶の例は以下のようになります。
特にお世話になった方には、2~3千円程度のお礼の品に内のしを付けたものを持参してお渡しします。お茶、お菓子など、定番の品がよいでしょう。
また近所の方から香典をいただいた場合は、通常の香典返しと同じく、49日以降にいただいた香典の半分程度を目安に香典返しを行います。
四十九日後に直接ご挨拶する場合は「無事49日法要を終えることができました」とお伝えします。
郵送や宅配で香典返しをお送りする場合は品物に挨拶状を添えます。
参考:しっかり役立つ葬儀法要しきたり・あいさつ・手紙(すぴーち工房 法研) 114ページ
遠方の場合は挨拶状をつけて郵送を
遠方にお住まいの場合など、直接手渡しが難しい方には、挨拶状を添えて49日以降に郵送します。
挨拶状に関する詳しい内容は、以下の記事をご参照ください。
香典返しをもらったときの言葉は?
香典返しを受け取る側の言葉としては、香典返しはそもそも香典に対するお礼です。
そのため、「ありがとうございます」というお礼の言葉は「礼に礼を重ねる」ことになり、「不幸を重ねる」という意味になることからなるべく避けます。
「恐れ入ります」や「恐縮です」といった言葉に置き換えて挨拶するとよいでしょう。
「恐れ入ります」
香典返しを受け取ったときのお礼については、以下の記事をご参照ください。
参考:大人女子のはじめてマナーBook 完全版(主婦の友社) 69ページ
まとめ
・弔事の言葉は控えめ、小さめが基本
・忌み言葉にはできるだけ気をつける
・香典返しの挨拶は要点を押さえて簡潔に
・近所の方への挨拶は初七日くらいまでに行う
・遠方の方には挨拶状を添えて郵送で香典返しの品物を贈る