仏教では、四十九日(追善法要)、一周忌とともに大切な法要が三回忌の法要です。ここでは三回忌の法要について、いつ頃行うのか、どのように行うのかなど、三回忌法要のマナーについて解説します。
目次
三回忌はいつ執り行うのか?
まず、年忌法要の数え方をおさらいしておきましょう。一周忌、三回忌とあるのに、なぜ二回忌を行わないのかと思われるかもしれません。
法要の数え方は、亡くなった年を1年目と数えます。
一回忌とは、亡くなった方の葬儀のことをいうのです。これでいくと亡くなってから翌年に行う法要は、二回忌となるわけです。しかし、二回忌とは言わず一周忌といいます。これは昔からの習わしといえるでしょう。
つまり、三回忌とは、亡くなってから2年後(翌々年)に行われる法要ということになります。
法要の名称 | 四十九日 | 一周忌 | 三回忌 |
時期 | 亡くなってから49日後 | 亡くなってから1年後の命日 | 亡くなってから2年後の命日 |
三回忌法要は、亡くなった人のための追善法要ですから、祥月命日に行うのが基本です。しかし、祥月命日がどんな日に当たるのかによって、法要を行うことが難しい場合もあります。
命日が平日の場合、その前の休日などを設定するのが一般的です。亡くなってから二年目ですので、直前になって慌てないように、早い段階からスケジュールを組んでおくことをお勧めします。
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参考:実修浄土真宗本願寺派のお経(学研パブリッシング) 224ページ
三回忌はいつまでに行えばいいの?
三回忌に限らず、年忌法要は命日もしくは命日の前に行うのが一般的ですが、やむを得ない事情で命日を過ぎてから行うしかないという場合もあるかと思います。
法要は命日後に行っても問題はありませんが、できるだけ命日に近い日取りで三回忌が行えるように手配しましょう。
また、前倒しする場合でも、あまり早い時期だと常識はずれと思われかねません。
命日の遅くとも1か月前後でスケジュールが組めるように、お寺などにも早めに連絡を取るようにしたいものです。
三回忌はやるべき?
年忌法要に関しては、三回忌までは故人、一人ひとりに合わせて執り行うのが一般的といえます。
三回忌はやるべきかという問題となると、これはそれぞれの家族や遺族の判断に任されるところであり、自由といえます。
しかし、親戚によっては、三回忌まではきちんと行ってしかるべきと考える方もいるでしょうし、親族の手前、どうなのかと考えるなら、やはり執り行うのがよいでしょう。
追善法要は、故人のためであると同時に故人を知る人が法要を機会に集まって、故人やその周囲に関して語らう場でもあるからです。
親戚づきあいを大切に考えるなら、行っておくのが無難です。
三回忌は家族だけでもいいの?
三回忌をどの程度の規模で行うかという点も、考えておくべきポイントです。
家族だけで行うか、また親類縁者も呼ぶか、あるいは故人の知り合いも呼ぶかは、それぞれの判断に任されるところです。三回忌を家族だけで行いたいと考えるならば、家族だけで行っても差支えはありません。
ただし、故人を知る人から、三回忌はどうなるのかと聞かれた場合、三回忌は家族だけで行うということや、その理由についてきちんと答えられるようにしておくことです。
案内状を出す必要まではありませんが、親類縁者を呼ばず、家族のみで行う場合、事前に連絡を取っておいたほうがベストです。あとで「こちらには何の連絡もなかった」といわれたり、トラブルがないようにしたいものです。
一周忌と三回忌を一緒にやってもいいの?
家族で複数名が近い日にちで亡くなったケースについては、三周忌までは故人それぞれに行うのが一般的ですが、祥月命日が近くて、一周忌と三周忌が重なってしまうという場合もあります。
できるだけ別々に行えればそれに越したことはありませんが、親類縁者を呼んで行う場合、あまりに日程が近すぎる場合は、集まってもらう方にも時間や金銭面でも負担をかけてしまいます。
結論からいえば、一周忌と三回忌の法要を一緒に行うことは可能です。この場合「併修(へいしゅう)」や「合斎(がっさい)」という呼び名で法要を執り行います。
ただし、併修や合斎が行えるのは、同じ寺で法要をお願いしている場合に限ります。
また、故人の記憶が濃い三回忌までは、なるべく併修を避け単独で行うほうがよいでしょう。
併修・合斎は、早い方の命日に合わせて日程を組むのが普通です。なお、法要の順番は、年忌法要の早い順となり、一周忌、三回忌の順に法要を行います。
参考:新版 葬儀・法要・相続・お墓の事典 オールカラー(浅野まどか 西東社) 145ページ
三回忌のお知らせはいつ行う?
事前の準備もありますから、三回忌の法要の連絡は少なくとも1か月前には行うようにしたいものです。
出席できるかどうか参列者の都合を聞かなければならないのと、出欠の連絡をもらって、全体の人数を確認し、引き出物の手配や、場合によっては食事の手配などもしなければならないので、1か月ぐらいは余裕をみたいからです。
なお、電話での連絡でもいいのですが、電話をした際に急に返事ができないこともありますので、やはりきちんとした案内状を送るようにした方が無難です。その際は往復はがきで出欠の確認を取るようにすればベストです。
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参考:葬儀・法要・お墓・相続がわかる事典(浅野まどか 西東社) 144ページ
浄土真宗の三回忌は?
浄土真宗は檀家という家ではなく、門徒という個人単位で入門する制度を取っています。浄土真宗でも一周忌、三回忌までは他の宗派と同じように法要は行います。
ただし、浄土真宗では亡くなった人はただちに往生されるので、法要で故人を供養するという考え方ではありません。故人の生前に思いを馳せて、信心を深める日となっています。場合によっては、法事のあとのお斎(食事)も普通に行われます。
まとめ
・三回忌は、故人が亡くなってから2年目の祥月命日に行うのが基本。
・命日または命日の前に行うのがベスト。命日後でもいいができるだけ早めに行おう。
・三回忌は、家族だけでもOK。一周忌と重なるときは一緒に行うこと(併修・合斎)も可能。