葬儀の際などに、斎場や祭壇を飾る供花。遺族や親族が手配して飾るほか、葬儀に際して贈られることもあります。ここでは、供花をいただいた場合、どのようにお返しをすべきなのか、供花の意味とともに解説します。
目次
「供花」とは? 読み方は?
供花は「きょうか」または「くげ」とも読み、葬儀の際に故人に対して供えるお花のことです 。
葬儀の際は、斎場を飾るために、喪主や遺族側でお花を用意するのが一般的ですが、通夜や葬儀に参列できない人が、故人に向けたお供えとして葬儀場に贈ることがあります。
葬儀の会場の飾りつけなどの都合もありますので、葬儀会場や相手の葬儀社に連絡を取って手配するようにします。
花屋で手配する場合は、花屋から先方に連絡を取ってもらった方がスムーズにいくケースが多いでしょう。
参考:心に響く葬儀・法要のあいさつと手紙&マナー(杉本祐子 主婦の友社) 174ページ
供花の種類
供花は宗教によって花の種類や組み合わせなどが異なってきます。供花を贈る際は、勝手に選ぶのではなく、先方の都合に合わせて贈るようにしましょう。
仏式や神式の葬儀では、菊やユリ、蘭などの白い花が基本となります。他の色の花を組み合わせる際は、あまり華美にならないように注意します。
キリスト教の場合は、ユリやカーネーションなど、西洋由来の花を選ぶのが基本です。仏式で用いる菊は用いないようにします。なおキリスト教では造花はタブーです。生花のみを選びましょう。
参考:最新 困ったときにすぐひける マナー大事典(現代マナー・作法の会 西東社) 60ページ
供花にお返しは必要?
さて、供花をいただいた場合、お返しは必要なのでしょうか。
これに対する答えは、いくつかの考え方があります。
まず、「供花は香典とは異なり、お供えの一種なのでお返しの必要はない。お供えは高額でなければお返しは不要なので、供花をいただいてもお返しの必要はない」という考え方が一つです。
確かに供花は香典ではないので、香典返しをする必要はないかもしれません。しかし、香典返しが必要ないからといって「何もしない」というのはお勧めできません。
特に葬儀に参列できないので、その代わりとして供花をいただいた場合には、その相手に対してお礼をするのがマナーといえるのではないでしょうか。
「供花にはお返しはいらない」と考えてなにもしないよりも、「供花をいただいたので、少しばかりでもお返しをしたい」と考える方が理にかなっているでしょう。
なお、地域によっては、供花に対してもお返しをするのが当然のこととされている場合もあります。その場合は、香典と同じように3分の1から半額程度のお返しの品物をお返しします。
供花のお返しの時期はいつ?
香典と供花の両方をいただいた場合
供花とともに香典をいただいた場合は、他の香典をいただいた方と同様に香典返しを行うのが一般的です。
葬儀に参列せずに香典と供花をいただいた場合は、特に参列されていない方には当日にお返しすることはできませんので、後日、日を改めてお返しすることになります。
香典返しは、四十九日が明けてからお贈りしますので、その際に香典と供花のお返しの品物とお礼状を贈りましょう。
供花のみをいただいた場合
葬儀の際に供花だけをいただいた場合は、供花のお礼状をお送りするようにします。その際は、四十九日前に送っても構いません。
電話やお礼状などであいさつができればいいのですが、何もせずにそのまま過ごしては「供花を贈ったのに何の音沙汰もないとは、失礼だ」と思う人もいます。
できるだけ早くお礼を述べたいと考える人は、葬儀の後、一週間ほど経ってからお礼状を送るよいでしょう。
なお、お返しとして品物をお渡ししたい場合は、他の方の香典返しと同様に、四十九日明け(忌明け)が過ぎてから品物とお礼状を贈ってもよいでしょう。
参考:安心!納得!葬儀・法要・相続の備えと手続きがよくわかる本(秀和システム) 97ページ
供花のお返しはいくらぐらい?
供花のお礼の品を用意する場合、いただいた供花の金額のだいたい3分の1から半分程度を目安にするといいでしょう。
供花にも種類があり、立派なものだとそれなりの値段はするものです。お礼という意味からもいただいた供花に見合う品物を用意するのが礼儀でしょう。
なお、供花とともに香典をいだいている場合は、合計した金額の半返しとなるよう、忘れずに調整しましょう。
供花は小さなもので5000円程度からあり、スタンド式で1万5000円程度、豪華なもので2万円以上のものもあります。
いただいた供花の値段を知りたい場合は、届けられた記録等が葬儀社や花屋にありますので、お礼をしたいので、価格を知りたいと申し出れば教えてくれるでしょう。
会社から供花をもらった場合のお返しは?
数人がまとめて会社から供花を贈った場合は、個人一人ひとりにお返しをする必要はありません。
会社からの供花であれば、お礼状だけでも構いませんが、供花を贈った人が会社の有志ということであれば、みんなで小分けできるようなお菓子を用意して会社宛てに贈ればいいでしょう。
供花のお返しの品物とのしについて
供花のお返しの品物は、基本的には弔事のお返しに添ったマナーで贈るように心がけましょう。
品物は香典返しと同様に、「消え物」と呼ばれる食品やタオル、洗剤、石鹸などが一般的です。
供花の返礼品ののしは、弔事用の結び切りの水引のついたものを使い、表書き(のし紙)は「志」と記します。関西地方では「粗供養」と書くこともあります。
また、のし下には、喪主または喪家の姓を記載します。
供花のお返しののし
藍銀や黄白ののし紙に「志」や「粗供養」と記す
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まとめ
・供花とは、斎場や祭壇を飾るための故人に供えるお花のこと。
・感謝の気持ちを表すためにも、供花のお礼はしたいもの。
・お返しの額は、3分の1から半額くらいを目安にする。
・供花のお返しの品物は、香典返しと同じように考えて贈ろう。