亡くなった人を弔う法要の中でも、大切な三回忌法要。いざというときに慌てないように、三回忌法要ではどんなことを準備すればいいのか、ここでは、参列者に送る案内状や当日の流れ、お供え、お寺へのお布施など法要の準備について解説します。
目次
三回忌法要とは?
仏教では葬儀を終えると、その年に行うのが四十九日の法要です。一周忌までは喪中であり、一周忌の法要を終えると一般的には1年ごとの年忌法要を行います。
三回忌は一周忌の次の年、つまり亡くなってから2年後に行われるもので、四十九日と一周忌に並んで大切な法要となります。
2年後なのに三回忌と呼ばれるのは、亡くなった日の法要を一回目として、一周忌が2回目、二周忌は3回目となるからです。二周忌とは呼ばず、三回忌と呼ぶのは昔からの習わしです。
参考:お墓の建て方・祀り方、墓じまいまで(主婦の友社) 137ページ
三回忌法要の準備は誰が行う?
地域やその家の風習などにもよりますが、四十九日から一周忌、三回忌法要までは、遺族や親戚、さらに故人と親しかった人々を招いて法要を行うことが多いようです。
三回忌はすでに「喪」が明けていますので、法事を執り行う人は喪主ではなく「施主」と呼ばれます。
葬儀のときに喪主と施主を分けている場合もありますが、法事の代表者は施主1人となります。たいていは、葬儀のときに喪主を務めていた人が、法事の施主を務めるケースが多いでしょう。
三回忌の法事は、規模をどれくらいにするかで、事前の準備が異なってきます。遺族だけでなく、親類・縁者や故人と親しかった人まで招く場合には、事前にそれなりの準備が必要です。
故人が亡くなってから三回忌の日はすでに決まっていますので3カ月ぐらい前から準備を始めておくと余裕をもって進められるでしょう。
三回忌法要のスケジュールを立てる
家族だけでなく親戚や知人まで呼んで行う場合、まず、どれぐらいの人が集まるのか、考えてみます。
参加者の数は、葬儀に参列していただいた人の数を参考にすれば、だいたいの人数を予測することができます。またすでに一周忌を行っているのであれば、その時の参列者の数も参考になるでしょう。
三回忌法要は僧侶に読経を上げていただき供養することが主となります。その際、僧侶を自宅に招くのか、斎場を使うのか、僧侶のお寺で行うのかを決めます。
また、読経のあとに食事を行う場合は、食事のための会場も予約する必要があります。時期によっては、それらの会場が混雑していることもあるので、新年会や歓送迎会のシーズンなどに当たれば、さらに早めの予約が必要です。
三回忌法要を行うのは1日のことですが、スケジュールはきちんと組んでおきましょう。
三回忌法要の案内状
三回忌法要に招きたい人が決まったら、次に法事を行うことを知らせる案内状を用意します。会食ためにレストランを予約する場合、事前に人数がわかっていないと予約できないところもあります。
案内状は参加できるかどうかの可否を問うために、往復はがきや、返信はがきを付けた封書などで送るようにします。
案内状の文面
・場所:自宅、お寺、斎場などの場所、会食がある場合は、会食の会場(レストラン名)など
往復はがきの場合・返信欄
・ご住所 お名前:空欄にしておきます。なお、返信の締め切り(希望日)も書いておくとよいでしょう。
案内に関しては、電話で伝えてもいいのですが、電話では出欠がすぐに答えにくいこともあるので、相手の備忘の目的も兼ねて案内状を出すことをお勧めします。
案内状は法事の日の1カ月くらい前には案内状が届くように手配しましょう。
三回忌法要のお供え
仏式の法要では、祭壇を飾るための決まったお供えがあります。それは、ろうそく、線香、お花の3つです。三回忌でもこれら3つをお供えしましょう。
お寺で法要を行う際、これら3つはお寺の方で必ず用意してもらえますが、読経をあげていただく側のマナーとして、遺族の側もお供えするとよいでしょう。
参列者がこれらのろうそく、線香、お花をお供えとして持っていっても構いません。
その他、果物やお菓子などをお供えとして持っていくのもよいでしょう。ただし、肉や魚などの生ものはたとえ故人の好物であったとしてもタブーです。
三回忌法要のお布施
僧侶に読経をあげていただいた際は、お布施を包みます。
三回忌法要のお布施の相場は、だいたい3万円から5万円ぐらいといわれています。お布施の金額はそのお寺や地域によっても変わってくるので、わからない場合は直接問い合わせてみてもよいでしょう。
また、自宅や斎場などに招いた場合は、お布施とは別にお車代として5千円から1万円程度を別にお渡しします。
参考:お墓の建て方・祀り方、墓じまいまで(主婦の友社) 140ページ
法要の当日の流れ
三回忌には、決まった形があるわけではありません。地域や宗派によっても順番が多少異なります。ただし仏式の法要であれば、基本的に執り行う内容は一緒です。一般的な流れは次の通りです。
僧侶の入場
僧侶の入場時間が法要の開始時間となります。
施主の挨拶
法要の初めの挨拶を施主が行います。
「忙しい中、お集りいただいたことのお礼」と、「これから三回忌法要を行います」という短い挨拶で構いません。
僧侶の読経
読経の間は、黙とうするなど、静かに過ごします。
焼香
故人に近い順(前方)から焼香を行います。
法話
僧侶により法話を行います。法話の内容は宗派によって異なります。法話がない場合もあります。
僧侶の退場
僧侶にはここでお布施をお渡しします。僧侶が会食に参加されない場合は、御膳料(5千円~1万円)をお渡しします。
法要はここでいったん終了となります。場合によっては施主による挨拶を行います。
会食
会食がある場合は、レストランなどへ会場を移すなどして会食を行います。最後の挨拶の際に会場の案内をするようにしましょう。会食後に散会します。
三回忌法要のお返し
三回忌法要で香典(御仏前)やお供えをいただいた場合に備えて返礼品を準備しましょう。法事の参列へのお礼としては「引き出物(引き物)」を用意します。
お供え物や香典のお返しは、いただいた額の3分の1から半額が相場になります。
法事の際にいただく香典は1万円~3万円くらいが多いので、会食費が3~5千円、引き出物は3~5千円くらいが目安になるでしょう。
想定よりも多くの香典(ご仏前)をいただいた場合は、不足分を後から宅配便や郵送などで送るとよいでしょう。
参考:50代からの冠婚葬祭きちんとマナー(主婦の友社) 47ページ
まとめ
・僧侶への連絡、会場の確保、参加人数の確認など、三回忌のスケジュールは早めに組んでおこう。
・参列者の人数をきちんと把握するためにも、できるだけ案内状を送付しよう。
・お布施や引き出物、お供えのお返しなどの手配も忘れずに。