三回忌は通夜や葬儀、四十九日とは異なり、家族のみで法要を営むこともあります。ここでは三回忌の服装について何を着るべきか、男性や女性、子どもの場合など、施主と参列者それぞれの服装のマナーについて解説します。
三回忌の服装の考え方、施主と参列者
一般的に、葬儀や四十九日、一周忌の法要では、施主や遺族は、正式な喪服を着用することがマナーとなっています。
施主や遺族側が参列者よりも軽い服装となることは避けるべきなので、これは当然と配慮といえるでしょう。
では、三回忌はどのような服装にすべきでしょうか。考え方としては、やはり施主や遺族が参列者よりも軽い服装となることは避けたいものです。
しかし、三回忌ともなれば、施主や遺族も正式な喪服ではなく、略式の喪服を着用することが多くなります。
そこで、三回忌の案内状に、参列者に「平服でお越しください」といった文面でお知らせすることもあります。
参考:世界で通用する一流のビジネスマナー(大部美知子 かんき出版)
施主の男性の服装
施主は、基本的には正式な喪服を着用するのが望ましいところです。男性の正式な喪服とは、洋装はモーニングで、和装は紋付羽織袴となります。
しかし、これらの正式な喪服(礼服)を自前で持っていれば別ですが、持っていない場合は、三回忌のためにわざわざレンタルする必要はありません。
現代では、略式の喪服でも大丈夫とされています。略式といっても、黒い礼服(スーツ)のことなので、冠婚葬祭用として一着ぐらいはお持ちの人が多いでしょう。
男性の場合、この黒の礼服に葬儀用の黒いネクタイに白の無地のワイシャツを合わせます。靴や靴下も黒で統一します。
施主の男性の服装
モーニングや紋付羽織袴がない場合は、黒のスーツ・ネクタイに白の無地のワイシャツの礼服を用いる
施主の女性の服装
女性の場合も、施主は男性の場合と考え方は一緒です。基本的には正式な喪服を着用します。和装、洋装ともにブラックフォーマルとして衣料店で扱っています。
正式な喪服は、和装の場合は紋付、洋装の場合は、黒のワンピースやアンサンブル、ツーピースとなります。男性と同様にやはり略式の準礼装でも構いません。
ただし、できるだけ肌の露出を抑えた服装にすることがマナーといえます。なるべく長袖を着用し、夏季などの暑い時期は薄手のジャケットを羽織るようにし、ノースリーブのものは避けるようにしましょう。
ストッキングや靴、ハンドバックなどの小物も黒で統一します。
施主の女性の服装
黒のワンピースなど、肌の露出を抑えたブラックフォーマルを着用する
参考:新版葬儀・法要のあいさつすぐに使える実例付き(藤村英和 西東社) 169ページ
男性参列者の服装
まず、先にあげたように「平服でお越しください」と案内状に書いてあるからと、ラフな格好や普段着で参列することは避けるようにします。
また、平服とは「正式な服装でなくてもよい」という意味です。かといって、参列者の場合、正式な喪服で行くのも考えものです。三回忌では施主や遺族も、略式の喪服を着ることが多いので、施主や遺族よりも格上の服装にならないようにします。
平服とは略式の喪服、または法事という場に合わせた地味な服装のことと考えるようにしましょう。
男性の場合は、一般的に黒のスーツを着用するようにします。黒の礼服を着るのが一番ですが、なければグレーや紺色などの地味な色で、できれば無地のスーツを着用します。
女性参列者の服装
女性の場合も参列者であれば、やはり施主よりも格上の服装となることは避けるべきなので、正式な喪服は着用しない方が無難です。もちろん「平服でもOK」とある場合でも、華美な服装は避けるべきです。できれば準礼服、なければ黒や紺など地味な色のワンピースを着用しましょう。
女性の場合、注意したいのは履物です。夏場はサンダルやミュールなどを履いてしまいがちですが、つま先が出る履物は厳禁です。ストッキングもできれば黒かグレー、靴は黒でかかとの低いパンプスが基本です。
また、アクセサリーも光るものは控えた方がいいので、ネックレスや結婚指輪以外の指輪、ネイルやマニュキュアの類も避けた方がいいでしょう。
参考:最新 困ったときにすぐひける マナー大事典(現代マナー・作法の会 西東社) 64ページ
家族のみで三回忌を行う場合の服装
参列者を招かず、家族や遺族のみで三回忌を行う場合、事前に打ち合わせをしておけば、服装に関してはそれほど神経質になることもありません。
ただし、法事であるということを念頭に入れて、あまりにカジュアルな服装は常識として避けるべきです。家族だけで食事会をするのであれば別ですが、三回忌ということで僧侶を呼んで読経を上げもらう場合は、ラフな服装でお会いすることはマナーとしてよくないことはおわかりかと思います。
正式な礼服は必要ありませんが、やはり簡易な礼服で臨むべきでしょう。
子供の服装は?
子どもの服装には特にルールがあるわけでありませんが、法事という場を考えて、やはりあまりラフであったり、華美な服装は避けるようにします。
小学生や中学生なら制服を着用し、未就学児などの場合はなるべく無地の地味な色の服を使うとよいでしょう。
普段着であれば、柄物を避けて黒や紺など、地味色の服で男児であればブレザーやズボン、女児であればワンピースやスカート、白を基調としたシャツなど、大人に準じた色使いのものを選ぶようにします。
法事の子供の服装
まとめ
・三回忌の服装は、男女ともに、正式な喪服ではなく、略式の喪服でもよい。
・喪主は参列者よりも格上、参列者は喪主よりも格下の喪服を選ぼう。
・「平服」といえども、ラフな服装はタブー。マナーにあった服装をしよう。