故人が亡くなってから行われる年忌法要で、一周忌の次に行われるのが三回忌です。三回忌は遺族や施主にとっても一つの区切りとなるため、親戚のほか故人の知人・友人を招いて法要を行うこともあります。
ここでは、三回忌の香典の金額の相場や香典袋の表書き・書き方などについて解説します。
目次
三回忌とは?
三回忌とは、故人が亡くなってから2年目に行う法要のことを指します。
仏教では、亡くなってから最初の葬儀で営む法要が一回忌に当たります。つまり、1年目に行う一周忌はすでに「二回忌」であり、2年目に行う法要は葬儀から数えて「三回忌」となります。
三回忌は亡くなってから3年目と思いそうですが、間違えないようにしましょう。
参考:最新カラー版お墓と仏壇選び方・建て方・祀り方(主婦の友社) 105ページ
三回忌の香典の金額の相場とは
次に香典の意味についておさらいしておきましょう。
香典とは本来、お線香の変わりに供えるものという意味があります。葬儀や法要にはお金がかかるので、喪主や施主の経済的な負担を少しでも助け合うという意味合いもあるのです。
三回忌は、葬儀・通夜、四十九日法要、一周忌法要につづいて大きな規模となることが多いので、それに準じた金額を用意するのがマナーといえます。
相場としては、四十九日法要や一周忌法要と同じぐらいの金額を包むようにします。
故人との関係によって異なる相場、親族・親戚かどうか
では、三回忌に招かれた場合、いくらぐらいの金額を包めばよいのでしょうか。
一人いくらという決まった額はありませんが、やはり常識的な相場というものがあります。故人との関係や社会的な立場、また年齢などによって包む金額は異なってきます。
会食がない場合の一般的な三回忌の香典の金額は、以下のようになります。
・故人とは血縁関係にない知人・友人の場合、5千円~1万円程度
なお、故人ととても親しい友人や大変お世話になった人であった場合は、親族・親戚と同じぐらいの金額(1万円~)を包んでもよいでしょう。
会食の有無によっても変わる金額
三回忌の法要では、法事のあと、参列者を会食に招く場合があります。
会食に招かれた場合、香典の金額に会食の食事代を加えた金額を包むこともマナーといえます。
会食がどれぐらいの規模なのか、事前に知ることは難しいと思いますが、三回忌の案内状には、事前に予約を取っておくために、たいてい食事(粗餐・粗宴・お斎(とき)など)を用意していることが書かれています。
ホテルや料亭などで会食がある場合は、5千円から1万円程度を上乗せして包んでおくとよいでしょう。
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三回忌の香典の相場の例
次に三回忌の香典の相場の例をいくつかのケースでご説明します。
故人が親のケース
故人が自分または配偶者の親で同居していない場合の相場は、以下のようになります。
同居している場合は施主側の立場となりますので、基本的には不要です。
会食がある場合:2~5万円程度
故人が祖父・祖母(故人の孫)のケース
故人の孫が参列する場合は、本人が社会人かどうかで変わってきます。
孫がまだ未成年で就労していない場合は不要とされています。孫が社会人の場合は、以下のようになります。
会食がある場合:1~3万円程度
三回忌の香典袋の選び方、水引について
三回忌の香典は、葬儀や一周忌など、他の法要と同じように不祝儀袋を用いるようにします。
香典袋の水引は、弔事用を使用します。弔事用では、双銀、黒と白、藍色と銀、黄色と白などの結びきりなどがあります。
香典袋には水引から簡易なものから豪華なものまでありますが、金額に見合ったものを選ぶようにしましょう。包む金額が少ないのに、香典袋だけ豪華なものを使うのは、返ってマナーに反します。
一般的には、不祝儀袋は以下のように使い分けます。
1万円までの場合:水引が印刷されたもの
1~3万円までの場合:水引が掛けられている黒白、藍銀、黄白などのもの
5万円以上の場合:水引が掛けられている双銀のもの
参考:50代からの冠婚葬祭きちんとマナー(主婦の友社) 7ページ
三回忌の香典袋の表書き
仏式ではすでに亡くなってから仏(ほとけ)となっていることから、御仏前(または御佛前)と書くのが一般的です。
また、三回忌の法要では、仏様に供物を持参するのがかつての習わしでしたので、供物の代わりに現金を包むという意味から表書きに「御供物料」「御香料」と書くこともあります。
参考:冠婚葬祭贈答のお金マナー 表書き(主婦の友社) 155ページ
三回忌の香典袋は薄墨か濃い墨か
香典袋の表書きは、氏名とも、薄墨ではなく、濃い墨で書くようにしましょう。薄墨を使うのは、急いで書いたという意味合いから、通夜や葬儀で使うのが一般的です。
ただし関西方面の一部のように、地方によっては三回忌までは薄墨を使うというケースもあります。
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まとめ
・三回忌の香典は、それぞれの立場に応じた金額を用意するのがマナー
・会食があるなど、法要の規模によっては、食事代を含めた金額を包むようにしよう
・香典の表書きは、濃い墨で「御仏前」と書くのが基本