49日(忌明け・満中陰)法要に欠かせないのが、施主から参列者への挨拶です。葬式のときとは何が違うのか、どのようなことを話せばいいのか、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
ここでは、49日法要の流れに沿って、挨拶のしかたや挨拶文の例を紹介します。
目次
参列者への感謝を込めて
49日法要を自宅で行う場合と、お寺などで行う場合とでは、施主の挨拶の仕方は異なります。
お寺で法要を行う場合、施主は参列者が集まるのを静かに待つのが一般的です。場所はお寺なので、僧侶が内陣に座り、読経を行うことで自然に法要が始まります。施主は特別に始まりの挨拶をする必要はありません。
一方法要を自宅などで行う場合は、施主が「開始時」「中締め」「会食時」「最後の締め」といった各タイミングで挨拶を行います。
参考:そのまま使える葬儀・法要あいさつ実例集(河野成美 西東社) 122ページ
法要での冒頭の挨拶
文章の中身については、特に決まりはありませんが、参列者への感謝の意を込めた挨拶を心掛けるようにしましょう。内容としては、参列者へ来ていただいたことへのお礼と法要を取り行うことの2点を手短に述べた後、僧侶を仏壇の前にお招きします。
【はじめの挨拶例】
これより「亡き父、一郎」の49日(忌明け・満中陰)の法要を執り行いたいと存じます。
ご住職、よろしくお願いします。
「」の部分は、故人と施主との生前の関係や本名を述べます。また、宗派によって、戒名を使う場合もあります。
参考:心のこもった葬儀・法要のあいさつと手紙マナー&文例集(杉本祐子 主婦の友社) 146ページ
【中締めの挨拶例】
おかげ様をもちまして、父の49日(忌明け・満中陰)法要を無事に終えることができました。
葬儀に際しまして、皆様には、ひと方ならぬお世話を賜り、あらためて御礼申し上げます。
これからも変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げる次第です。
ここで故人への思いや、残された家族のこれからの決意などを伝えてもいいでしょう。ただし、あまり長くならないよう、手短に語りましょう。
【法要後、会食(お斎)がないとき】
なお、お荷物になるとは存じますが、心ばかりの品をご用意させていただきました。
お帰りの際には、どうかお忘れなきよう、お持ち帰りください。
本日は誠にありがとうございました 。
法要後に会食がない場合は、これで最後の挨拶となります。締めの挨拶は、参列者への感謝の意など、最初の挨拶と内容的にかぶるものもありますが、丁寧なことを心掛けるべきで、繰り返しになっても構わないでしょう。
同じ言葉を繰り替えすのがどうしても気になるという人は、最初の「忙しい中」を、締めでは「ご多忙中」など、別の言い回しに直せばいいでしょう。
【法要後、会食があるとき】
本日は誠にありがとうございました。
参考:心のこもった葬儀・法要のあいさつと手紙マナー&文例集(杉本祐子 主婦の友社) 147ページ
【締めの挨拶例】
まだまだ皆様のお話をお聞きしたいところではありますが、そろそろお時間となりましたので、これにてお開きとさせていただきます。
父が亡くなり、私ども一家も大変寂しくなりましたが、今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
話すのがあまり得意でない、また文章を考えるのが苦手という人は、上の文章例をそのまま使っても差し支えありません。もちろん、故人のエピソードを加えたり、自分なりにアレンジを加えてみてもよいでしょう。
ただし、挨拶全体があまり長くならないように心がけましょう。
まとめ
・挨拶はあまり長くならないよう、簡潔に済ませる
・参列者への感謝と、故人について触れる
・感謝の言葉は重なってもよい。むしろできるだけ丁寧にお礼を述べよう