一周忌法要とは、亡くなってからちょうど一年めの同月同日(「祥月命日(しょうつきめいにち)」に行う法事のことです。
ここでは、施主が行う一周忌の準備や当日の流れ、のし、返礼品など、一周忌のマナーについて解説します。
目次
一周忌法要とは
一周忌から五十回忌までの法要を「年忌法要」といい、特に一周忌は年忌法要の中でも重要な法事として親族以外に友人・知人を招いて手厚く営まれます。
一般的にこの日までが「喪中」とされ一周忌が終わると喪の期間が終了します。
一周忌の準備
日程を決める
祥月命日(亡くなった同月同日)が平日にあたる場合は直前の土日に行われるのが一般的です。一周忌だけは満1年目におこないますが、それ以降の一年ごとの年忌法要は年数-1年(年数マイナス1年)で行います。(例:三回忌は満2年)
場所を決める
自宅、お寺、ホテルなどのいずれの場所で行なうのかを決めます。
読経の場所と、法事の後の会食の場所を変える場合もあります。
おとき(食事)の手配
僧侶による読経のあと食事がふるまわれます。
この食事をおとき(御斎・お斎とも書く)と呼びます。
僧侶や参列者へのお礼の気持ちをこめたお膳であると同時に、一同で故人を偲ぶための行事です。
必要に応じて仕出し料理やお店などの予約をします。
おめでたい伊勢海老や、鯛などの献立は避けた方がよいので、予約の際には「法事で利用します」と、利用目的を告げましょう。
また、食事の席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引き出物と一緒にお渡しします。
お寺への連絡
場所、日時が決まったら、なるべく早く菩提寺に連絡をします。
菩提寺とは、先祖代々の墓をお願いしているお寺のことです。
霊園、墓地などを利用している御家庭では、葬儀の際に世話になったお寺に依頼すると良いでしょう。
案内状の手配
少人数の親族だけで行う場合には電話での連絡でも良いでしょう。
故人の知人など人数が多い場合は、往復ハガキや返信用のハガキを同封した封書などで、案内状を用意し、出欠確認を行います。
引き出物・引き菓子の手配
当日、出席者にお持ち帰りいただく引き出物を準備します。
予算は3,000円~5,000円程度で持ち帰りに適した品を用意します。
消耗品で好き嫌いが少ないお茶や海苔、実用品ではタオルなどが人気です。
また、引き出物と一緒に引き菓子を用意することがあります。
引き菓子とはお膳のお裾分けの意味があり、列席者が帰宅後、家族と分かち合うためのお土産的な意味合いがあります。法事に参列して頂けなかった方でも、お供えやお香料などを届けてくださった方にもお返しをお渡しするようにします。
お布施・御経料の用意
お布施・御経料の相場は、3万円程度で、お車代は、5千円~1万円くらい、御膳料は、5千円~2万円くらいです。
ただし、僧侶がお食事に同席してくださる場合は【お布施または御経料 + お車代】の2つを用意して、お食事を辞退された場合は【お布施または御経料 + お車代 + 御膳料】の3つをお渡しします。
※地域によって異なりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
一周忌の引き出物のかけ紙(のし)の書き方
一周忌の引き出物に使用するかけ紙の表書きは仏教では「志」「粗供養」「一周忌」、キリスト教・神式では「召天記念「偲び草」、などと書きます。
詳しくは「熨斗(のし)・包装紙の無料サービス」をご参照ください。
一周忌法要の流れ
一周忌法要は、おおまかには以下のような流れで行われます。
施主が簡単に始まりの挨拶をします
僧侶の読経が終わった後、ご焼香を済ませます。
墓地が近い場合はお墓参りをします。
施主のお礼の挨拶の後、会食(御斎)となります。
一周忌の返礼品・引き出物
一周忌法要の返礼品としては、以下のような品物がよく選ばれます。
お茶を飲みながら故人を偲ぶという意味を込めて返礼の品に贈られます。
○海苔
消耗品であることから先様へ不幸が及ぶのを消滅させる意味合いがあります。
○タオル
仏の世界へ白装束で旅立つ意味合いと慈愛を表すことで贈られます。
○石鹸・洗剤
不幸を洗い流すという意味合いと消耗品であることから贈られます。
○和菓子、洋菓子
引き出物と一緒に持ち帰っていただくお菓子を「引き菓子」といい、お膳のお裾分けとして帰宅後、家族と一緒に分かち合うお土産です。引き出物と合わせておすすめしています。
まとめ
・一周忌法要は、「年忌法要」の一つで重要な法事として手厚く営まれます。
・一周忌の準備としては、まず法要を行う日程・場所を決め、案内状をお送ります。
・お寺・僧侶への連絡のほか、当日の食事や御布施、引き出物の準備などを行います。
・引き出物には、お茶や海苔、タオル、石鹸・洗剤、引き菓子として和菓子や洋菓子が選ばれます。