友人から香典を頂いた場合、香典返しはどのように行えばいいのでしょうか。例えば、親戚や知人から香典を頂いた場合とは、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、友人への香典返しの相場や、おすすめの品物、お礼状の文例などについて解説します。
目次
友人への香典返しの注意点は? 故人の友人と遺族の友人のケース
香典を頂く友人といった場合、故人と親しかった友人と、喪主や遺族の友人という二つの場合があります。
故人の友人の場合、面識があればよいのですが、喪主や遺族がよく知らないという場合もあります。香典を頂いた場合、故人とどのような関係にあったのか、本人に確認するわけにはいきません。また、遺族の友人という場合は、遺族と面識があるので、友人であることはすぐにわかるかと思います。
では、故人の友人と遺族の友人とで、香典返しの方法に違いはあるのでしょうか?
結論からいえば、故人の友人であっても、遺族の友人であっても、香典を頂いた場合は、香典返しは必ず行うものであり、「香典返しの方法に違いはない」ということになります。
この基本を知っていれば、故人と深い付き合いであれ、ちょっとした知り合い程度の間柄であれ、香典返しの方法に区別を付ける必要はありません。
頂く香典に違いがあるとすれば、故人との関係性が近いと香典の額が大きくなるケースがあります。
友人へのお返しの相場は?
どのような友人であっても、香典を頂いた際は、その頂いた金額に見合った香典返しを行うというのが、原則です。
香典返しは、頂いた金額の3分の1から2分の1程度となる、いわゆる「半返し」が基本です。友人の場合、香典の金額は3000円から1万円程度でしょうから、3000円なら千円程度、1万円なら5千円程度の品物を用意するようにします。
また、5万円から10万円など、頂いた金額が多い場合は、どうすればいいでしょうか。
10万円なら5万円程度の香典返しを贈らなくては考えてしまいますが、無理に半返しの品物を用意することはありません。高額な香典を包む人の気持ちとしては、残された遺族のこれからに、少しでも役立ててほしいという心遣いがあるはずです。
誠意から渡した香典に、高額な香典返しをもらっては、かえって相手に気遣わせてしまうことにもなりかねません。できれば品物に挨拶状(お礼状)を付けてきちんと感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
参考:クロワッサン特別編集大切な人を亡くしたあとの手続き(マガジンハウス) 23ページ
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友人への返礼品におすすめの品物は?
香典返しを贈る際は、親戚や友人など、品物の種類を特に区別する必要はありません。香典返しによく用いられるいわゆる「消えもの」といわれる、お茶や海苔などの食料品、石鹸やタオルなどの日用品などから、それぞれの金額に見合った品物を選ぶようにします。
故人と親しかった友人の場合、故人を偲んでもらうために、故人、あるいは友人にゆかりのある品物を贈るのも一つの方法です。
肉や魚などのいわゆるタブーといわれる品物であっても、カタログギフトであればさまざまな品物の中からご自身が好きな品物を選ぶことになりますので問題ないでしょう。
友人の連名や友人一同で香典をいただいた場合はどうすればいい?
連名での香典では、一人一人の金額が少なくなるため、それぞれに半返しを行っていては大変です。例えば、3000円の香典を友人一同として頂いた場合、1000円程度の品物を代表者に贈り、連名の人たちで分けてもらうようにしましょう。
小袋に入ったクッキーやビスケット、せんべいなどのお菓子、スティックタイプのコーヒー、パックの緑茶・紅茶など、みんなで分けやすい品物を選ぶとよいでしょう。
友人への香典返し、のしや挨拶状の注意点は?
友人への香典返しの品物に付ける「のし」は他の方々と同じものを用います。
のしは、贈る相手というよりも地域や宗派によってどのような水引を用いるか、表書きはどのよう書くかが異なります。
香典返しののしは、全国的には黒白の結びきりで、のし上に「志」と書くのが一般的です。
西日本では、黄白の水引を用いて「満中陰志」と書く地域が多いです。
また、のしの表書きの墨の色は、四十九日よりも前に贈る場合は薄墨を用います。四十九日を過ぎたあとは、薄墨または濃墨で書くようにします。
参考:短くても気持ちが伝わる手紙・はがき・一筆箋きちんとマナーハンドブック(杉本祐子 主婦の友社) 180ページ
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友人への香典返しのお礼状の文例
香典返しの品物を贈る際は、挨拶状やお礼状を添えるようにします。
内容は一般的なマナーや形式に沿っていれば定型の文章でも問題ないでしょう。香典返しの挨拶状は、基本的には句読点は付けないようにします。
もし個別にお礼の文章を考える場合は、一般的な挨拶状の形式に沿った形で、文章の中身を友人宛にアレンジするとよいでしょう。
文例
先般は祖父〇〇儀の死去に際しまして御多忙中にもかかわらず
ご丁寧なお心遣いをいただきましたこと厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして滞りなく忌明けを迎えることができました
つきましては供養のしるしとして心ばかりの品をお贈りさせていただきます
どうぞご受納くださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます
令和●年 ●月 ●日 ●●
香典返しe-shopでは、香典返し用として利用できる一般的な定型文や宗教別や名前の入れられるものなど、友人にお送りできる挨拶状を無料でご用意していますので、ぜひご活用ください。
参考:葬儀・法要・お墓・相続がわかる事典(浅野まどか 西東社) 87ページ
友人にメールでお礼を伝える場合の文例
今日の生活ではメールもコミュニケーション上、欠かせないツールの一つです。関係性によってはメールでお礼を伝えることもあるかもしれません。
ただし、故人の友人で面識のない方やご年輩の方への香典返しの場合は、メールではなく挨拶状でお礼の気持ちを伝えるようにしましょう。
遺族(自分)の友人で、取り急ぎお礼を伝えたいという場合などメールを送る先がそれなりの合意が得られる(気心の知れた)相手とわかったうえで送るようにします。
友人宛のメールの場合は堅苦しい挨拶は必要ありませんが、要点を抑えてきちんと伝えるようにします。
また、挨拶状の場合は上記のように句読点を付けないのが一般的ですが、メールの場合は句読点を付けても問題ありません。
メールのお礼の文例
先般は、お忙しい中、葬儀に参列いただきありがとうございました。
また、過分なお心遣いをいただき家族ともども感謝いたしております。
お陰様で無事四十九日法要を終えることができました。
後日、改めてお礼をさせて頂きたいと存じます。
取り急ぎ、メールにて失礼いたします。
まとめ
・友人への香典返しも、基本は同じ。頂いた金額の「半返し」を心がけよう。
・品物は、消え物が中心ではあるが、故人にゆかりのある品などでもよい。
・挨拶やお礼は、基本的に書中で行う。メールを使うときは送る相手に注意しよう。