葬式・告別式に招かれたけれども、どうしても都合が悪くて出られないということがあります。そんなとき、香典だけでもご遺族にお渡ししたいと思うものです。そもそも香典を郵送しても失礼に当たらないのでしょうか。ここでは香典を「郵送」するときの送り方やマナーについて解説します。
目次
香典は郵送してもいいの?
葬式や法事に都合がつかない、また遠方で行けないというとき、香典を郵送しても失礼にはならないのでしょうか。香典は弔意を表してお渡しするわけですから、郵送しても失礼には当たりません。
香典を郵送する場合、香典とは別に弔電を打って送るという方法と、香典とともにお悔やみの手紙を添えて送るという2通りの方法があります。
香典を郵送する際の封筒は、現金書留専用封筒を使う
普通の封筒に現金を入れて、郵送することはできません。マナー以前に現金を普通郵便で送ることは「郵便法」で禁じられています。
香典を郵送する場合は、現金書留専用封筒を使います。
ただし、現金書留専用封筒にそのまま現金を入れるのではなく、香典袋に入れたものを封筒に入れます。
参考:冠婚葬祭マナー大事典(学研ライフ&フーズ編集室 学研パブリッシング) 283ページ
郵送で送る際の香典袋は?
香典袋は、郵送で送る際も、手渡しする際と同様の香典袋を使用します。
香典袋(不祝儀袋)の水引の色は、黒白や藍銀、双銀などを使います。
香典袋に水引が印刷されているものと、袋に水引を付けている豪華なものがありますので、包む金額に応じて使い分けます。
香典額が1万円までなら水引が印刷されているものを使い、1~3万円の場合は黒白、5万円以上の場合は双銀の水引が付いたものを使うのが一般的です。
香典袋の表書きは、「御霊前」「御仏前」「御香典」などを使い、名前は水引の下にフルネームで記載します。
香典袋の選び方や表書き、名前の書き方などは、以下の記事で詳しく解説していますのでご確認ください。
参考:最新版新しい葬儀・法要の進め方&マナー(主婦の友社) 196ページ
現金書留専用封筒のサイズについて
通常の現金書留用の封筒は、現金をそのまま入れることを想定しているので、香典袋に入れた現金は入りにくくなっています。郵便局に行くと、香典袋が入る少し大きめのサイズの封筒が用意されています。
普通サイズは横119ミリ×縦197ミリ、大き目のサイズは横142ミリ×縦215ミリとなっています。封筒の値段はどちらも21円です。
大きめのサイズは定型外郵便となりますが、定形郵便は25g以内で82円、定形外郵便は50g以内で120円と、基本料金としてはわずかな差です。香典袋を小さな封筒に無理に押し込めるよりは、大き目の封筒を選ぶべきでしょう。
また、水引が印刷された簡易な香典袋だけでなく、水引が別についた豪華なタイプの香典袋でも余裕を持って送ることができます。
郵送にかかる料金
現金書留で郵送する場合、損害賠償額によって料金が変わってきます。損害賠償額は1万円までがプラス430円、さらに5千円ごとにプラス10円が加算されます。
例えば、2万円の香典を大き目の封筒で郵送する場合、定形外郵便料金が120円、損額賠償額が450円で、郵送料は計570円となります。また、速達にする場合は、プラス280円(250gまで)がかかります。
お悔やみの手紙を添えて
やはり香典だけ郵送するよりも、香典とともに、お悔やみの言葉を一筆添えた方がいいでしょう。伺えなかったことへのお詫びとお悔やみの言葉を簡単でいいですから、直筆で添えるようにしたいものです。文字色は黒で、便せんは色柄のない、白一色のものを使うようにします。
参考:心を伝える、すぐに役立つ 手紙・はがき・一筆箋の書き方マナー大全(杉本祐子 主婦の友社) 212ページ
郵送する際の注意点
香典の送り先は、喪主の自宅宛てにします。香典は中身が「現金」なので、直接喪主に届けるのが基本です。気を利かせたつもりで香典を斎場に送ってしまうと、現金書留は必ず受取人に手渡す必要があるため、斎場に受取人がいないと、香典を受け取ってもらえないという場合も出てきます。
現金書留は、速達は可能ですが、日時の指定ができないので注意しましょう。
一方、弔電は葬儀が行われる斎場宛てに、開始時刻に間に合うように送るようにしましょう。
香典を送る時期・タイミング
郵送する場合、香典はできるだけ早く送った方がいいと考えがちですが、喪主の自宅へ郵送することを考えると、葬儀の少し後の方が、遺族も忙しい時期が外れるので負担にならずに済みます。
かといって、あまり遅くなると、遺族としては香典を頂いた方へ、香典返しの準備をしなければならないので迷惑となってしまいます。
タイミングとしては、亡くなってから1週間程度、遅くとも1か月以内を目安に届けるようにしましょう。
まとめ
・香典を郵送する際は、必ず現金書留で。
・香典袋は手渡しの際と同じものを使う。
・送り先は、斎場ではなく喪主の自宅宛てに郵送する。
・遺族が多忙な時期は避けて、郵送するタイミングにも気を配ろう。