一般的な葬儀では、遺体は火葬にし、遺骨として骨壺に納めます。その後、遺骨をお墓に納める儀式のことを納骨式といいます。納骨式はいつ、どのように行うものなのでしょうか。
ここでは、納骨式について解説します。
目次
納骨式の時期について
納骨に関しては、いつまでに行わなければならないという決まりや法律はありません。
仏式なら四十九日の法要に合わせて行うのが一般的といえるでしょう。
すでに先祖代々のお墓がある場合にも、遺骨はいったん自宅やお寺などに持ち帰り、後日お墓へ納骨します。
なぜ四十九日の法要に合わせるかというと、四十九日までは中陰という、亡くなった人の次の転生先を決めるための期間にあたるので遺骨は埋めず、中陰壇などにまつってお祈りするのが基本だからです。
四十九日の法要の日に納骨する場合は、忌明け法要とともに、納骨式も行うという流れが多いようです。
納骨式の準備と手順
四十九日の法要とともに納骨式を行う場合は、参列者をどうするか、考えておきましょう。四十九日の法要には、家族や親せきのほか、知人などが参列することもありますが、墓地で行う納骨式だけは、参列者全員ではなく、近親者だけで行うこともあるからです。
お寺の手配
お寺へは四十九日の法要とともに、納骨式を行うことを必ず伝えておくようにしましょう。
納骨の際にはお墓に建てる塔婆が必要な場合もありますので、相談するようにします。
納骨式には住職も墓地へ足を運んでいただいて読経をあげてもらうため、お布施や車代も四十九日法要とは別に考慮しなければなりません。
参考:家族が亡くなったらしなければならない手配と手続き(主婦の友社) 102ページ
石材店への依頼
お墓に戒名や故人の名前を新たに彫る場合や、納骨に際して石を動かして納めてもらう場合は、石材店にお願いする必要があります。
戒名や名前を彫るのは事前に準備が必要です。
納骨式に間に合うように、余裕を思って連絡をとっておきましょう。
遺骨埋葬許可証
埋葬許可証は、火葬許可証とともに、火葬した際に、自治体で発行される許可証です。
たいていは火葬した際、骨壺とともに桐の箱に収められています。
納骨の際、霊園や墓地を利用する際に必要となりますので、確認しておくようにしましょう。
参考:葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて(主婦の友社) 88ページ
納骨式の当日の流れ
次に一般的な納骨式の流れを紹介します。式の流れに関しては、地域や宗派によって多少の違いがあります。
施主の挨拶
お墓にお供え花やお供え物、焼香台を並べた後、施主または遺族の代表が参列者に対してお礼のあいさつを述べます。
挨拶の例文については、以下の記事をご参照ください。
納骨
納骨の前に、僧侶による入魂のための読経を行います。
納骨室のふたをあけて、遺骨を納めます。石材店のほか、施主が納骨室へ納める場合もあります。
読経
納骨室のふたを閉じた後、再び僧侶による読経を行います。
焼香
参列者による焼香を行います。まず遺族から、近親者、知人という順番で行います。
会食
特に四十九日の法要と一緒に行う場合、納骨式のあとに食事の席を設けることが多いようです。
参考:家族が亡くなったらしなければならない手配と手続き(主婦の友社) 103ページ
納骨式の費用
四十九日の法要といっしょに納骨式を行う場合、それらの費用も加えて考えます。ここでは、主に納骨式にかかる費用をあげておきます。
お布施
住職の読経に対する謝礼(お布施)です。約3万円から5万円程度が相場です。墓地へのお車代としては5千程度から1万円ぐらいです。
納骨・作業費用
墓石のふたを開けたり閉めたり、墓石に飾る祭壇の準備などをしたりなどの作業の費用です。1万円から3万円程度です。
彫刻代
墓石に戒名などを彫る作業料。約3万円から5万円程度です。
塔婆
塔婆の費用は1本2千円から5千円程度です。
お供えの花・お菓子など
その他、お供え物の費用が必要です。お供え物は生花、お菓子、丸餅、お酒などが一般的です。また故人が好きだったものでもよいでしょう。
生花は墓石や仏壇の左右に飾るため、一対ずつ用意します。お菓子は煎餅や焼き菓子など、常温保存できるものが定番です。
まとめ
・納骨式の時期に決まりはないが、四十九日法要とともに行うのが一般的
・お寺への手配とともに石材店への依頼も忘れずに
・四十九日法要といっしょに行うときは、納骨式へ招く参列者を決めておこう