法事・法要に参列していただいたときに、施主から参列者へのお礼を述べたり、逆に招かれたときに遺族に向けてお悔やみの言葉を述べたり、法事に欠かせないのが挨拶です。
ここでは、法事の際の挨拶の仕方やマナーなどについて解説します。
目次
さまざまな場面で必要となる法事の挨拶
法事は故人の冥福を祈る行事ですから、施主は読経をお願いした僧侶や参列者をはじめ、法事に関係した人々へたくさんの挨拶の機会があります。
また法事に招かれた人は、遺族の人に対して気遣いある態度で挨拶を述べなくてはなりません。ふだんの挨拶と異なり、法事独特の挨拶の仕方、マナーがありますので、あらかじめ心得ておくようにしましょう。
法事の始めに参列者へ向けての挨拶
喪主や施主、あるいは遺族は、参列者に向けて感謝の気持ちを込めて丁寧に挨拶します。
法事・法要では、僧侶が到着したら、喪主または施主から、法要の始まりを告げる挨拶を行います。挨拶を述べた後き、参列者に向かって深くおじぎします。
さらに僧侶に向かって一礼します。僧侶はこれを合図に読経を始めることになります。
法事での挨拶はどんなことを述べるのか
法事では、その内容や順番によって挨拶の仕方も変わってきます。
例えば四十九日で一緒に納骨を行う場合、納骨を行う前と済ませたあとでは、挨拶の中身も変わってきます。
故人について語ることができれば、手短に語ってもいいですが、あまり長くならないように気を付けること。長くなりそうに感じたら、故人についての話は省略してもよいでしょう。
法事・法要はすでに葬儀を済ませてから時間が経っていますので、ゆっくりと丁寧に頭を下げてお礼をし、わざわざ足を運んでいただいたことへの感謝の気持ちを込めることが大切です。
締めの挨拶については、以下の記事をご参照ください。
参考:クロワッサン特別編集大切な人を亡くしたあとの手続き(マガジンハウス) 25ページ
施主から参列者への挨拶の例(括弧内は当日納骨を行った場合の例)
本日はお忙しい中、亡き父の四十九日(法要)にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
葬儀の際には一方ならぬお世話をたまりまして、あらためて御礼申し上げます。
(本日、無事に納骨を済ませることができたのも、皆さま方のお力添えがあればのことと、心より感謝申し上げます)
父がこの世を去ってから今日に至るまで、いまさらながら、その存在の大きさを実感している次第です。
父を失ったことは誠に無念ではございますが、残された私どもで力を合わせて生きていくつもりでおります。
どうか今後とも引き続きにご指導のほど賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
各場面の挨拶例については、以下の記事もご参照ください。
参列者の挨拶のしかた
法事・法要に伺ったときは、受付で挨拶の言葉をのべるようにします。
丁寧に頭を下げて一礼し、声の調子や大きさは控えめにし、手短に挨拶します。挨拶をしたあとで香典を受付に渡します。
受付での挨拶例
ご遺族の皆さまと一緒に故人を偲ばせていただきたいと思います。
参考:最新ビジュアル版冠婚葬祭お金とマナー大事典(主婦の友社) 240ページ
法事の香典を渡すときの言葉
仏教式の法事・法要であればご仏前でいいのですが、仏教以外のときやよくわからないというときは「お供えください」の一言だけでいいでしょう。
参考:オールカラー 冠婚葬祭 おつきあいとお金のマナー(早井千代子 西東社) 91ページ
遺族への挨拶
法事の会場に入って遺族と顔を合わせたときは無言ではなく、手短に言葉をかけてもいいでしょう。他の参列者もいるため、あまり多くの言葉をかけることはできません。
法事の最中には直接言葉をかけることはできませんので、法事のあとに食事があれば、その席で故人についての思い出を語るようにしましょう。
まとめ
・喪主や施主は、参列者に対して感謝の気持ちを込めて、ゆっくりと丁寧に挨拶を。
・参列者は声の調子や大きさに注意して、挨拶はできるだけ手短に。
・故人の思い出は、法要の後の会食の席でゆっくり語る。