法事に参列するときは喪服ということを知っていても、髪型となると・・・? 普段おしゃれに気をつかっている人でも、法事のときの髪型はどうすべきか、答えられる人は少ないのではないでしょうか。ここでは法事での髪型について解説します。
目次
法事での基本的な髪形のマナー
法事での基本的な髪形は、男女ともに華美なスタイルは避けるということが鉄則です。髪型は極力地味にすることがベストです。法事は、亡くなった方を弔うことが目的ですから、自分の個性を主張する=おしゃれは必要ないということです。
ただし、髪を清潔に整えておくことは忘れないようしましょう。華やかさは必要ありませんが、清潔感は大切にする必要があります。整髪料を使う場合も華美に整えるためではなく、髪を清潔にまとめるために使うことを意識するようにするといいでしょう。
法事での女性の髪形・髪の色は?
法事では華美なスタイルを避けることとはいえ、特に女性の場合、ふだんはさまざまなスタイルの髪型をされていることでしょう。法事だからといって、無理に地味な髪形にカットする必要はありません。
ふだんの髪型をあまりいじらず、例えばパーマをかけたり、編み込んだりなどの必要以上のオシャレをしないということです。髪型は小さくまとめるだけでも印象が変わります。
髪の色を染めている場合は、あまり明るい色は法事には不向きです。当日に周りの目を気になってしまうこともありますので、暗い色に染めておくことを考えてみてもいいのではないでしょうか。
参考:最新 困ったときにすぐひける マナー大事典(現代マナー・作法の会 西東社) 68ページ
ロングヘアの場合は?
ロングヘアは一つにまとめるのが基本となります。ファッション誌や広告などでは、喪服を着用しているモデルの人がロングヘアを肩に垂らしていたり、ロールに巻いていたりする写真が載っていたりしますが、あれはNGです。
まとめるといっても、特に難しい結び方は必要ありません。できるだけ低い位置で、黒いゴムでまとめるだけでいいでしょう。なお、高い位置で結ぶとおしゃれに見えてしまい、少し派手さがでる場合があります。
前髪が顔にかかるようであれば、耳にかけたり、落ちてこないようにヘアピンで止めておくようにしましょう。髪を止めるピンも黒い飾りのないピンを用いるようにします。
髪が長すぎて挨拶したときに背中から回ったりするようであれば、シニョン(髪をまとめるネット)などでまとめておくといいでしょう。シニョンを使うときも、あまり装飾の付いていないタイプを選ぶようにします。
また、髪をお団子にまとめることができる人や、ギブソンタックができる人は、編み込みを少なめにし、華美にならない程度にまとめておきましょう。
参考:デキる社会人になる!基本のビジネスマナー(相部博子 西東社) 193ページ
セミロング、ミディアムヘアの場合は?
セミロングの場合も、後ろで結べるのであれば、ロングヘアと同じように、一つにまとめるようにします。結ぶときの注意点はロングと同様、できるだけ低い位置で結ぶようにします。
肩にかかるか、かからないかぐらいの長さであれば、無理に結ぶ必要はありません。ただし、動いたときに髪が乱れるようであれば、極力ヘアピンで止めるようにしましょう。
ボブ、ショートの場合は?
ボブやショートヘアの場合、結ぶ必要がないので楽ですが、前髪が長い人は、挨拶のときに髪が流れないよう、ヘアピンなどで止めておくことがおすすめです。また、スタイルにもよりますが、髪が乱れないよう、ワックスで全体を固めてしまってもいいでしょう。
シュシュは使ってもいい?
手軽に髪がまとめられるので、人気のシュシュですが、法事で用いるのは基本的にNGです。
女性の場合、黒いゴムだけで髪をまとめた場合、ゴムの部分をシュシュなどで隠したくなりますが、シュシュを用いると「黒」などの地味な色でも、やはりデザイン的に華美に見えてしまいます。髪留めのゴムの部分を隠したいなら、ふち飾りの付いていない黒のリボンや、地味なデザインのバレッタを用いるといいでしょう。
男性の髪型の注意点は?
男性の場合、最近は女性に劣らず、さまざまな長さやヘアスタイル、茶髪や金髪など、髪の色も自由に染める傾向になっています。しかし、御年輩の方も集まる法事では、男性の長髪や茶髪にまだまだ抵抗感を持っている人もいます。そうした参列者の方々に不快感を与えないようにしたいものです。
ふだんからショートヘアであれば、特に問題ありませんが、おしゃれな髪形やあるいは少し過激と思われる髪型をしている人は、他人から見てどう映るか客観的に判断してみることです。明るい髪色の場合は、黒のスプレーカラーなどで染めたり、髪の長さを自然な感じに切り揃えておきましょう。
また、ロングヘアの場合、特に切る必要はありませんが、後ろできっちりと結ぶことが基本です。セミロングの場合も、乱れないように、整髪料で後ろ側に撫でつけるなど、見苦しくないように整えましょう。
参考:冠婚葬祭「マナーとお金」最新ハンドブック(岩下宣子 主婦の友社)
まとめ
・法事での髪型の基本は、地味で目立たないこと。華美なスタイルは極力避けよう。
・女性の髪は、ロング、セミロングであれば、後ろで一つにまとめる。挨拶しても乱れないように。
・男性の髪型も、見苦しくないように、客観的な目で整えるようにしよう。