通夜や葬儀に参列された方や、弔問や郵送で香典を頂いた方には、香典のお礼として香典返しをお贈りします。香典返しを贈る際には、感謝の気持ちを込めて、挨拶状(お礼状)を付けるようにしましょう。ここでは、香典返しの挨拶状に用いる封筒や、挨拶状の書き方などについて解説します。
目次
香典返しには挨拶状(お礼状)を封筒に入れて添えよう
香典を頂いたことへのお礼として贈る香典返しですが、本来であれば、香典を頂いた方々へお礼の言葉とともに、直接手渡しすべきものであるということを覚えておきましょう。しかし今日では、香典を頂いた方すべてに直接会って香典返しを手渡しすることは、難しいことです。参列者によっては遠方にお住まいの方もいるかもしれません。
そこで、香典返しには挨拶状を添えて、香典を頂いたことへの感謝の気持ちを伝えるようにします。なお、挨拶状は手紙と一緒です。品物と一緒に添える際も、きちんと封筒に入れて贈るようにしましょう。
参考:葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて(主婦の友社) 87ページ
香典返しのお礼状には何を書けばいい?
一般的に、即日返し以外の香典返しは、仏式ならば四十九日の忌が明けてから、香典を頂いた方々へ一斉に贈ることが普通です。よって、お礼状の内容としては、通夜や葬儀を滞りなく終え、無事に忌が明けたことと、香典を頂いたことへの感謝の挨拶を書くようにします。
また、人によっては、通夜や葬儀の際にお世話になったことなど、それぞれへ感謝の言葉を一言書き添えるとよいでしょう。また、忌明けは、葬儀からかなり日が経っているので、遺族の近況などについても簡単に触れておくと相手も安心するかもしれません。
挨拶状やお礼状の文章に関しては、香典返しを扱っているお店によっては、書式が用意されている場合もあります。
なお、当店では仏教をはじめとして、キリスト教や天理教などにも対応するさまざまなお礼状を無料でご提供していますので、ぜひご活用ください。
参考:心を伝える、すぐに役立つ 手紙・はがき・一筆箋の書き方マナー大全(杉本 祐子 主婦の友社) 232ページ
封筒の表面の書き方は?
封筒の表書きは、中央に「御挨拶」または「御礼」と書くのが一般的です。香典返しに添える封筒であれば、相手の住所や名前などを書く必要はありません。
注意すべき点としては、香典返しの品物を買ったお店で挨拶状を用意した場合、挨拶状の封筒は、一律同じものを使うことになりますが、挨拶状の文章を相手によって変えた場合など、贈り先と挨拶状の中身が一致しているかどうか、きちんと確かめておく必要があります。
これは少し面倒なような気もしますが、通夜や葬儀でお世話になった人などへ、伝えるべき感謝の言葉を取り違えては大変です。挨拶状の封筒と中身は、香典返しを贈る前にきちんと確認するようにしましょう。
封筒の裏面の書き方は?
裏面は、手紙の封筒の書き方と一緒です。封筒の左側に喪主の住所と氏名をフルネームで書き添えます。
故人が誰であるかは、挨拶状の中に記してありますので、故人との関係などは書く必要はありません。なお、挨拶状の方に住所が記してあれば、喪主の名前だけでもよいでしょう。
香典返しの個数が多い場合、挨拶状の封筒は表面、裏面とも印刷のことが多くなりますが、感謝の気持ちを込めて封筒だけは手書きにしたいという方なら、もちろん、それで構いません。その際は、郵便番号欄のない、無地の白い封筒を用意しましょう。
挨拶状の封筒の入れ方は?
挨拶状には、巻紙式とカード式の二つのタイプがありますが、どちらも、複数枚にならないように、一枚で済ませるようにします。文章が少ない場合は、1枚のカード式で、文章が多くなる場合は、2つ折りのカード式にします。
また、挨拶の文章が多い場合は、紙の幅が自由に調整できる巻紙タイプを最初から選ぶといいでしょう。
そもそも挨拶状は、奉書紙(巻紙)を用いて書くのが、本来の在り方でしたが、現在ではカード式でも失礼には当たりません。カード式であっても、きちんと封筒に収めることで、相手に対してより丁寧な印象を与えることができるのです。
参考:短くても気持ちが伝わる手紙・はがき・一筆箋きちんとマナーハンドブック(杉本 祐子 主婦の友社) 180ページ
香典返しを辞退する場合は封筒に記せばいいの?
香典を渡した際、香典返しを辞退するのであれば、あらかじめ香典返しを辞退することを香典の中の封筒に、辞退する旨を書き添えておきます。この際、香典袋には記載せず、必ず香典の中の封筒に記すようにしましょう。
文章は「香典お返し不要」でもいいのですが、あまり事務的な文章では、相手に不躾な感じを与えることもあるので注意します。やはり「香典返しについてはご辞退させて頂きたくお願い申し上げます」などとより丁寧に記しましょう。
会社や団体などの規定の香典なので、香典返しを受け取らないということであれば、相手も納得するでしょう。しかし、一般的な香典でお返しが要らないという場合は、やはりそれなりの理由がない限り、あまりすべきことではないと考えましょう。なぜなら、香典と香典返しのやりとりは、相互扶助の考えに基づいており、この二つで一つの儀式と捉えた方がよいからです。
香典返しで商品券を封筒に入れて送ってもいい?
まず、香典返しとして商品券を贈ることは、昨今では問題ないとされています。しかし、人によっては、商品券を贈ることは失礼だと考える人もいることを忘れてはなりません。特に年上の人に贈る場合は、注意したいものです。
さて、商品券を贈る際に、封筒に入れて贈ることはよいのか、という問題ですが、商品券自体は薄い紙なので、手紙と一緒に送れてしまいますが、入れる封筒は、挨拶状とは別にしたいものです。郵送の際、一つの封筒にまとめて送ることは構いませんが、商品券も香典返しの品物と同じと考えて別々に包んだ方が、贈った相手からも好感が持たれるでしょう。
まとめ
・香典返しの挨拶状は、カード式も巻紙式も、必ず、封筒に入れて贈るようにしよう。
・香典返しのお礼状は、香典を頂いたことへの感謝の気持ちを込めて、丁寧に書こう。
・香典返しとして商品券を贈る場合も、挨拶状は別々の封筒に入れるようにしよう。