葬儀の際、相場より高額な香典をいただくことがあります。そういうときの香典返しは、一般的な半返しでよいのか、何か別の方法でお返ししたほうがよいのかと迷うこともあります。
ここでは、高額な香典へのお返しの仕方について紹介します。
目次
高額な香典への香典返しは?
香典の相場と高額な香典
香典には「この場合はこれだけのお金を包む」といった決まり事はありませんが、一般的な「相場」があります。
香典の相場は、おおむね故人との関係によって異なり、故人が親の場合は10万円、兄弟は3~5万円、祖父母は1~3万円、おじ・おばなど親戚は1~2万円、職場関係や友人、隣人などは5千~1万円円となっています。
しかし、例えば親の葬儀の際に、親戚や親の勤務先の社長、親友などから、5万円や10万円といった高額の香典をいただくこともあります。
参考:35歳からのビジネス&マナー事典(細川馨 西東社) 169ページ
基本は忌明け(四十九日)後に半返し
高額な香典をいただいた場合も、基本的には通常の香典返しと同様に、忌明け(四十九日)後に香典の半分程度のお返しの品を贈ります。
当日返しをした場合は、忌明け後に改めて当日返しと合わせて半返しに見合う品物を贈ります。ただし、高額の香典にはそれなりの意図がある場合があります。
香典返しは、くださった方の意図を考えて贈るよう心がけましょう。
参考:ハッピーなお葬式がしたい!(若尾裕之 マガジンハウス) 114ページ
高額の香典返しは3分の1~4分の1返しでよい場合も
香典は、もともと困ったときはお互いに助け合うという「相互扶助」の考え方から生まれた風習です。
高額の香典も「葬儀などで何かと物入りだろうから、その足しに」という配慮でくださる場合があります。
そういう方々に厳密に半返しにこだわって香典返しをすると、相手の気遣いを無視したことにもなり、かえって失礼になることもあります。
その場合は、3分の1返し、あるいは4分の1返しといった具合に、金額を抑えた香典返しを選ぶとよいでしょう。
高額でも香典返し不要の場合もある
親戚から高額な香典をいただいた場合
親戚の方から高額な香典をいただいたときに「香典返しは不要」と言われることもあります。
相手がおじやおばなど目上の方で、日頃から親しい付き合いをしている場合は、素直に好意に甘えてもよいでしょう。
また一家の働き手が亡くなって子どもがまだ小さい場合など、相場より高額の香典を包んで「香典返し不要」とすることがあります。
この場合は「葬儀や遺族のために使ってほしい」という配慮が込められているので、香典返しはしなくても差し支えありません。
不要と言われた場合は、忌明け後の落ち着いた頃に挨拶に伺ったり挨拶状を送ったりするなど、お礼の気持ちを伝えましょう。
会社から高額な香典をいただいた場合
通常、会社が贈り主の場合、香典の名義は「会社名+代表取締役○○」となっているケースが多いでしょう。
贈り主の名義が同様でも、会社の就業規則に慶弔規定があるかどうかによって対応が変わってきます。
まず、会社の就業規則に慶弔規定がある場合は、総務部などからその規定に基づいた金額の香典が贈られます。この場合は、返礼は基本的には不要です。もしよく分からない場合は、総務部の担当者などに確認するとよいでしょう。
しかし、会社の就業規則に慶弔規定がない場合は、社長本人の意思で香典が贈られた可能性が高いです。その場合は、社長宛に分の1から半額を目安に香典返しの品物を贈りましょう。
なお、会社の場合は、葬儀が終わった忌引き明けに香典返しの品物を持って社長にご挨拶に行ってもよいでしょう。
高額の香典返しは商品券よりもカタログギフト
高額の香典をいただいた方への香典返しは、品物選びに悩むことがあります。
10万円の香典に3分の1返しをする場合は3万円相当の品物を選ぶことになり、その中で香典返しにふさわしい品物となると選択肢も限られてきます。
そのため、高額の香典返しには品物ではなく「カタログギフト」を贈るケースが増えています。
カタログギフトのメリットは、「相手の欲しいものを選んでもらえる」点があります。
また、商品券の場合は、贈った額がそのまま分かることになりますが、カタログギフトなら明確ではないので、さりげなく相応のお礼を伝えることができます。
高額の香典をいただいた方には、カタログギフトに加えて、タオルやお菓子などの品物を添えてお贈りすれば、ご自分のお好きなものを選べて、さらにすぐに使える物もあり、喜んでいただけるでしょう。
まとめ
・高額の香典には喪家への配慮が込められている場合が多い
・相手の配慮を無駄にしないために、香典返しの金額は抑え目にする
・高額であっても香典返しをしなくてもよいこともある
・高額の香典返しにカタログギフトが人気