通夜・葬儀・告別式、四十九日法要などに招かれて「香典」を用意しなければいけなくなったとき、金額はいくらぐらい包めばよいのか、悩むことがあります。ここでは、葬儀や法要の種類、また故人との関係や、それぞれの立場で異なる香典の相場について、解説します。
香典の相場について
香典の相場は、宗教や宗派によって異なることはありません。香や花の代わりに故人の霊前に供えるもので、故人の供養のためであるとともに、遺族に対する助け合いという意味も込められているからです。
香典の金額は、亡くなった方と自分との関係や年齢などによって変わってきます。自分とより近い人ほど金額が多くなり、また、自分の年齢とともに金額の相場も上がっていきます。
ただし、一定の相場はあるもののあくまでも目安であり、地域によっても異なりますし、家庭環境や状況や経済的な事情によっても異なってきます。
葬儀や通夜における香典の金額の目安を、故人との関係と世代別に表としてまとめると、以下のようになります。
会社・勤め先の同僚や上司、取引先の相場については、後項でご紹介しています。
香典の金額の目安(単位:円)
故人 | 自分の年齢 | ||
20代 | 30代 | 40代・50代以上 | |
祖父母 | 1万 | 1万~3万 | 3万~5万 |
両親(配偶者の両親) | 3万~10万 | 5万~10万 | 10万~ |
兄弟(姉妹) | 3万~5万 | 5万 | 5万 |
叔父、叔母 | 1万 | 1万~2万 | 1万~3万 |
その他 親戚・親族・いとこ | 3千~1万 | 5千~1万 | 3千~3万 |
友人 | 5千~1万 | 5千~1万 | 5千~1万 |
友人・知人の家族(親・兄弟) | 3千~5千 | 3千~1万 | 3千~1万 |
隣人・近所 | 3千 | 3千~5千 | 3千~1万 |
「親」の葬儀の香典について
両親の葬儀の際、子どもが香典を出す必要があるのか?と思われるかもしれません。両親の葬儀で自分たちが「施主」となる場合、つまり葬儀にお金を出す場合は、自分たちが主催者なわけですから、香典は必要ありません。
しかし、両親の葬儀で香典が必要になるのは、両親と離れて暮らしていて、施主が別にいる(たとえば実兄が施主となる)場合などです。たとえ長男であっても、両親が次男と暮らしていて、次男が施主(または喪主)となったなら、長男は香典を包むのが常識といえるでしょう。
参考:誰もが頭を悩ます 微妙なマナーがズバリ!わかる本(夢プロジェクト 河出書房新社) 36ページ
会社・勤め先の香典の相場について
職場や会社で香典を出す場合は、会社名や組織名で出したり、連名で出す場合もあるので、上司や同僚に事前に確認しておくとよいでしょう。金額は本人かその家族か、また年代によって変わってきます。
20代・30代であれば、その関係によって3千円から1万円くらいが相場となります。40代や50代になると、関係のあったご本人がなくなった場合は、最低でも1万円くらいの香典をを包むケースが多いようです。
会社関係の香典の目安(単位:円)
自分との関係 | 故人 | 自分の年齢 | ||
20代 | 30代 | 40代・50代以上 | ||
会社・勤務先の上司 | 本人 | 5千 | 5千~1万 | 1万~ |
家族 | 3千~5千 | 3千~1万 | 5千~1万 | |
会社・勤務先の同僚 | 本人 | 5千 | 5千~1万 | 1万~ |
家族 | 3千~5千 | 3千~1万 | 3千~1万 | |
取引先 | 本人 | 5千 | 5千~1万 | 1万~ |
家族 | 3千~5千 | 3千~1万 | 3千~1万 |
四十九日や一周忌法要などの香典の相場について
四十九日や一周忌法要などに招待された場合の香典の相場は、親族内であれば1万円~2万円くらいが目安となり、親しい友人や会社関係であれば、5千円~1万円くらいが目安となります。
施主側が会食を用意する場合は、その分を見越した金額を出すようにします。食事がふるまわれる場合であれば、親戚なら1万円~2万円、友人や会社関係であれば5千円~1万円くらいを上記にプラスします。
参考:この1冊でOK!一生使えるマナーと作法(明石伸子 ナツメ社) 160ページ
香典の金額は偶数でもいい?
香典に使うお金について、日本では縁起を担いて、お札の枚数は、1、3、5の数字にするのが一般的といえます。偶数は縁起が悪く、奇数は縁起がよいとされているからです。具体的には3千円、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円という順に用意するのが一般的です。
ただし、最近では1万円では少ないというときに、2万円という選択も認められるようになりました。
まとめ
・香典の金額の相場は、宗教や宗派に違いはなく、故人との関係や年代で変わる
・金額の相場はあくまでも目安。自分の事情や状況、立場などを考えて決めよう
・金額はできるだけ、1、3、5の付く数字を選ぶようにする