一周忌の法事に参列する際に欠かせないのが「お供え物」です。お供え物は故人のために捧げるものであると同時に、遺族への気持ちを込めてお渡しするものでもあります。ここでは、一周忌のお供えについて解説します。
一周忌のお供え物とは
一周忌のお供え物は、その名の通り、仏様にお供えするためのものです。ですから、法事に招かれたときに持っていくものは、仏壇(または祭壇)にお供えするものを用意するのが基本となります。
お供え物の種類としては、線香、ろうそく、水、花、飲食物などがあります。
ただし、線香やろうそくなどは、法事に際して遺族が用意していますので、お供え物としてあえて持っていく必要はないでしょう。
もしお香を贈りたいという場合は、通常品よりも高級な進物用や贈答用を選ぶとよいでしょう。
一周忌のお供えには何を贈る?
法要の参列者として持参するとしたら、やはり花か飲食物がよいでしょう。
特に飲食物は多すぎても困ることはありません。お菓子や果物など、法要が終わったあとで、参列者も含めて皆で分け合えるようなものを選ぶと喜ばれます。
飲み物に関しては、お酒は注意が必要です。お酒を飲む人がいることを知っていれば別ですが、飲まない人もいるので、気を付けたいものです。お茶や清涼飲料など、家族皆で楽しめるものを選ぶようにするとよいでしょう。
一周忌のお供え物の「お菓子」の選び方
お菓子を選ぶときは、法事が終わったあとで、おすそ分けができるように、例えば小袋入りのクッキーやパウンドケーキ、煎餅、あられなどが便利です。
日持ちのよくない生菓子は避けて、焼き菓子などできるだけ日持ちするものを選ぶようにしましょう。
できれば、相手の家族構成や、またどのような参列者が多く集まるのかを考えて、和菓子がいいか洋菓子がいいのか考えておくようにしたいものです。
清涼飲料水などの場合も、おすそ分けの際にかさばったり、重かったりしないように、容量の小さい缶や軽いペットボトルのタイプなどがおすすめです。
一周忌のお供えに「花」を贈る
四十九日までの仏花は「白」を基調とした花になりますが、一周忌は、白に加えて淡い色合いを合わせた花をお供えとして贈ることができます。
供花としては、胡蝶蘭やユリなどが適していますが、花店で購入する際に「お供え用」と申し出れば、まず間違いないでしょう。
花を贈る場合、注意しなければいけないのは、生け花です。花瓶に生ける手間がかかるような花は、法要の場所がお寺などの場合、相手の都合などもあるので、切り花でもよいか、事前に確かめておいた方がいいでしょう。仏壇の近くに置くだけで済む、生ける手間のかからないアレンジメントフラワーなどの供花もあります。
お供え物に品物を贈るケースと現金を贈るケース
地域によっては、お供え物ではなく現金を贈った方がよいというケースもあります。
一周忌のお供え物ののしの表書きは、「御供(ごくう)」や「御供物(おくもつ)」と記します。
品物の代わりに現金を包む場合は、表書きは「御供物料(おくもつりょう)」または「御仏前」とします。
これらは、いずれも「香典」と同じと考えられます。「御仏前」として現金を包んだ場合は、「御供物料」として別に現金を包む必要はありません。
現金か、品物か、どちらか一つを選べばよいという考え方もありますが、香典とは別にお供え物の「品物」を用意した方がいいという考える人もいます。
どちらにすればよいかわからない場合は、親戚や周りの人にこれまでの慣習を尋ねておくとよいでしょう。
参考:冠婚葬祭マナー大事典(学研ライフ&フーズ編集室 学研ライフ&フーズ編集室) 421ページ
まとめ
・お供え物は、仏壇に供える「花」や「お菓子」「果物」などが基本
・「お菓子」を選ぶときは、法事を終えたあとに、皆で分けるものがベター
・「現金」がよいのか「品物」がよいのか、事前に確認しておくとよい