香典に包む金額は、果たして決まっているのでしょうか。よく偶数は縁起が悪いということを聞きますが、そうすると「2万円」という金額はタブーのようにも思えます。ここでは、香典に包む金額の中でも、特に2万円について詳しく解説します。
目次
香典に2万円はいけない金額?
香典に包む金額は、なぜ偶数はよくないと言われるのでしょうか。それは「割り切れる」数字だからといわれます。
「割り切れる」ことから「縁が切れる」ということを連想させるからで、これらの数字は「御祝い事」のご祝儀でも嫌われる数字となっています。特に結婚式では、2万円を包むのはタブーとなっており、1、3、5という数字を基準に考えるようです。ただし、時代の変化とともに「二人仲睦まじく」という意味で2万円を良しとする風潮もあるとか。
そして、香典では2万円という数字は微妙です。香典の相場を考えたとき、2万円という金額を避けると、1万円の次は3万円となってしまうからです。
「1万円では少ない気がするけれど、3万円を出すには少し考える」という時、偶数にこだわるよりも、やはり2万円という選択肢は必要といえるのではないでしょうか。
参考:誰もが頭を悩ます 微妙なマナーがズバリ!わかる本(夢プロジェクト 河出書房新社) 37ページ
香典を2万円出す例は? 叔父への香典は2万円?
では、香典で2万円を包むのは、どのような場合でしょうか。
まず香典で1万円以上というときは、親族が亡くなったときが考えられます。例えば祖父母の場合であれば、成人していれば、1万円以上が相場となりますが、ここで問題となるのは、葬儀の際に会食を行う場合です。
香典のみであれば、1万円というところですが、会食代を含めて香典を包むとなるとプラス1万円で、2万円は包んだ方がいいことになります。
また、叔父が亡くなったときの相場としては、これも付き合いの深さによりますが、1万円から3万の間と考えると、2万円が妥当と考えるケースも出てくるでしょう。
香典を2万円出す場合の書き方は? 漢字は?
香典袋に入れるときには、金額を必ず書くようにしましょう。
金額を書かない方が謙虚であると考える人もいるかもしれませんが、後程香典を集計するとき、香典袋から現金を出してしまうと、誰が幾ら出したのかわからなくなる可能性もあります。金額が書いていなければ、相手も困るし、改めて金額を書き留めておく手間を取らせるだけです。
香典袋の裏側にはあらかじめ金額を書いておく欄が印刷されたものもあります。横書きであれば「20,000円」と算用数字を書き込んでもまったく問題ありません。
漢数字で書く場合は、「弐万円」あるいは「弐萬円」と書いておくといいでしょう。ただし、相手に読めるように書かなければ意味がありません。書きなれない漢字の場合、読めるように楷書できちんと書くようにします。
参考:冠婚葬祭贈答のお金マナー 表書き(主婦の友社) 24ページ
2万円の場合の香典袋への入れ方は?
香典袋に複数のお札を入れる際は、上下裏表をまずきっちり揃えます。
2万円であれば、1万円札2枚となりますが、中には「不幸が重なる」という意味もあり、2枚という数が気になるという人もいるようです。その場合、1万円札と五千円札2枚の計3枚にするという方法があります。
ただし、異なる種類のお札を混ぜて奇数にするという意図が相手にわからないと混乱を招くこともあるので、基本的には「札の数はできるだけ少なく、最も大きな単位のお札を用いる」と覚えておきましょう。
さて、香典袋へは、お悔やみで顔を伏せるという意味から、札の肖像が下(香典袋の底)に来るように袋に入れます。また、肖像は裏側になるように入れます。香典を集計する際、現金はすぐに取り出してしまうので、それほど気にする必要はないかもしれませんが、一応マナーとして知っておくことが大切です。
地方によっては、お札の肖像画が上にくるように入れるところもあるようですが、肖像画が下側になるように入れるのは共通しています。
法事の香典で2万円は妥当?
法事で包む香典も、通夜や葬儀の香典と考え方は一緒です。法事では「四」と「九」は忌数字なので特に避けられていますが、2万円という金額を避ける理由は特にありません。
親類の法事に出席するために香典で1万円包むとき、やはり法事の後、レストランなどで会食が行われる場合では、プラス1万円を上乗せして2万円を包んだ方がいいというケースもあります。
特に夫婦で法事に出席する場合、香典を連名で出すことはありませんので、香典は一人分の1万円というところですが、会食に一人5千円かかると考えると、夫婦二人でプラス1万円となり、合計で2万円包んだ方がよいことになります。
香典を2万円いただいた場合のお返しは?
香典をいただいた場合の香典返しは「半返し」が基本となりますが、ある程度高額の場合は「3分の1」くらいでもよいとされています。2万円の香典をいただいた場合の香典返しは、7000円~1万円くらいが目安となります。
参考:知らないと恥をかく冠婚葬祭のマナー常識(幸運社 PHP研究所) 71ページ
まとめ
・香典では偶数を避ける傾向があるが、場合によっては2万円という選択肢もあり
・1万円では少ないが3万円では多すぎるというときは、2万円でよい
・香典を2万円いただいたときのお返しは3分の1程度~1万円くらいの品物が目安