葬儀を終えた遺族は、初七日に続き、故人にとってもっとも大切となる四十九日の法要を迎えます。また四十九日の法要とともに重要となるのが、納骨です。
ここでは、納骨(式)はいつ行うのがよいのか、いつまでに行うべきか、納骨について解説します。
一般的には四十九日と合わせて
納骨はいつ行うという決まりはありません。
厚生労働省が定める「墓地、埋葬等に関する法律」にも、いつまでに行わなければいけないという規定はありません。日本で遺体を火葬にしたあと骨壺に納めます。
骨壺に納められた遺骨は仏壇や祭壇などに安置し、その後、お墓や納骨堂に納めます。これを納骨、または納骨式と呼びます。
一般的には、四十九日の法要と合わせて納骨や納骨式を行うことが多く、仏教では、四十九日は忌明けとされているので、忌明け法要の後で納骨を行うことが多いといえます。
四十九日と同時に納骨式を行う場合は、日程を決めてお寺へ手配をしなければなりません。
納骨は遺族や親族など、身内だけで行う場合が多いので、四十九日に納骨式を行う場合は、スケジュールの調整が必要です。
法要のあとで納骨、そのあとに会食を行うときは、納骨式に親戚以外の参列者も立ち会っていただくかどうか、事前に決めておきましょう。
納骨を親類だけで行いたいのであれば、納骨式は四十九日の前に済ませておくことも考えられます。
参考:最新ビジュアル版 冠婚葬祭お金とマナー大事典(主婦の友社) 212ページ
一周忌や三回忌など年忌法要で行うことも
納骨は、ほとんどの場合、お墓または納骨堂に納めるので、法事と合わせて行われることが多いわけです。
四十九日までにお墓が準備できない場合、一周忌や三回忌などの節目に合わせて納骨を行うこともあります。
キリスト教でもこの日に納骨を行うという決まりはなく、1か月後の追悼ミサや7日目の追悼ミサ、1年目の記念ミサに合わせて納骨を行います。
神式にも納骨の日に決まりはなく、亡くなってから50日目に行う五十日祭などに合わせて行います。
納骨式の準備
お墓に納骨する場合、さまざまな準備が必要です。
四十九日の法要と一緒に行うなら、お寺に連絡して日程を決める必要があります。
また、納骨式をお寺にお願いするときは、宗派によっては、お墓に立てる塔婆を用意してもらいます。
納骨でお墓の石を動かして納骨するには、場合によって石材店にお願いする必要があります。
先祖代々の墓の場合、戒名や新たに名前を彫る場合も、石材店に字彫りを依頼しなければなりません。
また、納骨の際には「埋葬許可証」が必要です。
火葬した際、遺骨を納めた骨壺の墓の中にしまっておくケースが多いようですが、もし見当たらないという場合は、最寄りの自治体窓口に相談すれば、再発行が可能です。
参考:葬儀・法要・お墓・相続がわかる事典(浅野まどか 西東社) 89ページ
その他の納骨方法
分骨
納骨は一か所だけでなく、遺骨を分けて2か所以上のところに納骨する、分骨という方法もあります。
この場合、葬儀の時点で分骨用の小さな骨壺を用意し、骨上げすることが一般的です。
宗派の総本山に遺骨を納めたいときや、故人の郷里の菩提寺へ納めたいとき、墓地が遠方で、近くに新たなお墓を作るときなどに、分骨します。
散骨
火葬したあとの焼骨を粉末にし、海や山などに巻く埋葬法として、散骨があります。
納骨についての法律は、お墓や納骨堂に納める際の手続きについての法律なので、散骨については特に規制されていません。
ただし、自治体によっては散骨についてさまざま規約が設けられているので、散骨を行う際は、十分に注意を払うようにしましょう。
樹木葬
近年多くなってきた埋葬法として、樹木葬があります。
これは墓石の代わりに樹木を墓標とする供養の方法で、墓地の中央にシンボルとなる樹木を植えて周辺の区画に遺骨を埋葬するケースや、遺骨を埋葬する際に、新しい苗木を一本ずつ植えるケースなどがあります。
参考:葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて(主婦の友社) 107ページ
まとめ
・納骨は、四十九日の法要と合わせるのが一般的
・お寺への連絡、石材店への依頼など、納骨に際しては事前に準備しておこう
・近年では、散骨や樹木層など、新しい埋葬法も増加