三回忌の法事で困ることの一つに、挨拶の仕方があります。特に口下手な人や上がり症の人は、困ってしまうのでは。ここでは、主に施主を例に、三回忌での挨拶の仕方を、実際の例をあげて解説します。
目次
三回忌の挨拶のポイント
法事は、故人の追悼がメインの行事ですが、参列者に対して施主がおもてなしをするということをまず、忘れないようにしましょう。
三回忌は葬儀や四十九日、さらに一回忌に比べて時が経っていることもあって、以前よりも具体なことを語る必要はありません。
会場で参列者を迎えるとき、施主はすでに席についているのが基本ですから、参列者の一人一人にあらためて挨拶することはないでしょう。
施主の挨拶は参列者全体への挨拶に絞るのがポイントです。
三回忌の挨拶例
施主の場合
会場に見えた参列者と会ったときは、軽く頭を下げる程度か、「本日はお忙しい中、ありがとうございます」ぐらいの言葉でよいでしょう。
参列者の場合
会場に入って受付がある場合は、軽く会釈します。
すでに三回忌なので「この度はご愁傷さまです」という言葉は不要です。言葉をかけるとしても、「本日はお招きいただき恐縮です」ぐらいでよいでしょう。
また返礼品をいただいたいた際は、「ありがとうございます」という言葉は礼に礼を重ねることになりますので、使いません。軽く頭を下げるだけにするか、「恐れ入ります」と挨拶をしましょう。
参考:いまさら聞けない 冠婚葬祭マナー辞典(ISMPublishingLab. ゴマブックス株式会社) 59ページ
三回忌のはじめの挨拶(施主)
僧侶が入場して読経を始める前に、参列者全体に向けて、はじまりの挨拶をします。これから三回忌を始めることを告げることにポイントをおきましょう。
感謝の意を込めたい人は込めても構いませんが、長々と話す必要はありません。あまり時間をかけてしまって、僧侶の方を待たせることの方が失礼になります。
また挨拶の最後には、必ず僧侶の方にお声をかけましょう。読経を始めていただくきかっけとなります。
挨拶の例
普段使いなれない言葉や難しい言葉を使おうとすると、かえって言葉に詰まったり、噛んだりします。平易で自分が発音しやすい言葉を選ぶのがポイントです。
このとき、全体に向けて軽く頭を下げ、一拍おいてから、僧侶に向かって一礼するようにします。
会食の前・乾杯時の挨拶例(施主)
読経が終わり、参列者が焼香を行ったあと、僧侶が退席されると、儀式としての法要は終わりとなります。
この後、会食がある場合は、最後の挨拶を行うとともに、会場への案内を行います。
挨拶の例
お酒を用意している場合は「杯を傾けながら」でいいかと思います。食事だけの場合はもちろん、必要ありません。
参考:心に響く葬儀・法要のあいさつと手紙&マナー(杉本祐子 主婦の友社) 155ページ
献杯時の挨拶
献杯を別の方にお願いしている場合もあります。その場合は「それでは、●●さん、献杯をお願いします」と促します。
食事の後の挨拶例(施主)
時間が来たら、会食の終わりを告げるために、施主は立ち上がって挨拶しましょう。歓談で盛り上がっていることもあるので、大きな声で全員に呼びかけましょう。三回忌を無事に終えたことを手短に話して終了とします。
挨拶の例
最後は法事も終えたことでほっとしがちですが、参列者全員を見送るまで、最後まで気を抜かないようにしましょう。
参考:心に響く葬儀・法要のあいさつと手紙&マナー(杉本祐子 主婦の友社) 75ページ
三回忌の終わりの挨拶(施主)
会食がない場合は、法要の後で、最後に締めの挨拶をします。最後の挨拶のポイントとしては、これで最後ということを告げるようします。
読経と焼香だけで終えるのでは、わざわざ出向いたのに、素っ気ないと感じる参列者もいるかもしれません。なぜ、会食の席を設けていないのか、きちんと理由を述べることが大切です。
挨拶の例
通夜や葬儀とは異なり、喪主の挨拶は、挨拶であると同時に全体の司会・進行の役割も兼ねています。普段大勢の前で話すことが少ない人には、なかなか難しい仕事と感じられる部分もあるかもしれませんが、誰もプロのように上手なしゃべりなど求めてはいません。
口調は下手でも感謝の気持ちが伝わればいいのです。施主としての使命の一つと心にとどめて臨んでみましょう。
まとめ
・三回忌の法要では、一人ひとりではく、参列者全員に向けて挨拶するのがポイント。
・上手に話すよりも、感謝の気持ちが伝わるように話すことを心がけよう。
・施主は、たんに挨拶するだけでなく、全体の進行役も兼ねていることを忘れずに。