四十九日法要(忌明け法要)を行うときに必要となるのが、僧侶にお渡しするお布施です。
いくらぐらいのお金を渡せばよいのか、お布施を渡すタイミングはいつがよいのかなど、ここでは、四十九日法要のお布施について解説します。
目次
お布施の意味
法要をお寺にお願いしたとき、読経のお礼として包むお金が、お布施です。
お布施とは、もともと仏教における6つの修行をさす六波羅蜜の徳目(布施、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進(しょうじん)、禅定(ぜんじょう)、智慧(ちえ)の一つから来ています。
布施には、財(金品)を施す財施、法(真理)を施す法施、恐怖を取り除く無畏施の三施があり、謝礼として金品を施すことが布施といわれるようになりました。
お布施の相場は?浄土真宗の場合は?
困るのは、法要のお礼となるお布施には決まった金額がないことです。地域や宗派、またお寺との付き合いによっても金額は変わります。
お寺に尋ねると「相場はありませんから、お気持ちで結構です」という答えが返ってくるので、さらに困ってしまいます。
そうはいっても、やはりお布施にも相場はあります。一般的に四十九日のお布施は、葬儀のときのお布施よりも低いことが多く、目安としては3万円から5万円といったところでしょう。
また忌明けの考え方などが他の宗派とは異なる浄土真宗も四十九日法要を行います。金額相場は、他の宗派と同じく3~5万円程度です。
参考:身内が亡くなった時の手続きハンドブック(奥田周年、 山田静江 日本文芸社) 121ページ
納骨式も同時に行う場合の相場は?
葬儀後の儀式には、亡くなった方をお墓に埋葬する納骨式もあります。お墓を新しく準備する場合は墓地探しや墓石の準備で2カ月はかかりますので、四十九日とは別に行います。
納骨式のみの場合のお布施は3~5万円程度、別途お車代や御前料を用意します。
代々のお墓がある場合は、四十九日と同時に納骨を行うケースもあります。四十九日法要と納骨式を同時に行う場合は、お布施はあわせて5~10万円程度を用意します。
参考:【図解】身内が亡くなったときの届出と手続きのすべて 2022年版(宮田浩志 マイナビブック) 101ページ
その他の金額の目安
お車代
お経料にあたるお布施のほか、僧侶にお渡しするお金としては、お車代があります。これは、法要を自宅で行うために、僧侶をお招きしたときにお渡しするものです。
お車代としては、一般的に5千円から1万円ぐらいが目安となります。
お寺から自宅までの距離にも寄りますが、かかるタクシー代などを計算するよりも、わざわざ来ていただいたことへの労いの意味と考えて用意しましょう。
また、遠方より来ていただいて宿泊が必要となった場合、宿泊にかかる費用もお車代に含めてお渡しするようにします。
御膳料
法要のあと、会食を行うとき僧侶が出席される場合は必要ありません。
また、会食の予定がない場合も、僧侶には、参列者と同様の引き出物や折り詰めをお渡しすればよく、御膳料は特に必要ありません。
ただし、会食を行うときに、僧侶が前もって食事を辞退されている場合や、辞退された場合は、御膳料をお渡しします。
御膳料は5千円から1万円ぐらいまでで、会食のランクやクラスによって、金額が変わります。
参考:葬儀・法要・相続・お墓の事典オールカラー(浅野まどか 西東社) 151ページ
表書きの書き方
表書きは薄墨ではなく、黒墨で「お布施」または「御布施」と書きます。その下に施主の名前、または一族の姓を書きます。
「お車代」「御膳料」もそれぞれ別々の封筒を用意します。
お札は半紙の中包みに入れて、奉書紙で包むのが正式ですが、 封筒でもいいでしょう。使う封筒は、水引のない、白い無地の封筒がベストです。
白黒の水引は不祝儀袋なので、僧侶にお渡しするのには適していません。
また二重の封筒も、不幸が重なるという意味から使うべきではありません。
表書きに関する詳しい内容は、以下の記事をご参照ください。
お布施を渡すタイミングと渡し方
お布施は事前にお寺に持参するのがもっとも丁寧ですが、近年では法要の当日にお渡するケースが多いでしょう。
法要が始まる前か、読経が終わって僧侶がお帰りになるときにお渡しします。必要に応じてお車代、御膳料も一緒にお渡しします。僧侶が会食に同席されている場合は、会食のあとお帰りになる際にお渡しします。
また、お布施は直接手渡すのではなく、切手盆などの小さなお盆に載せてお渡しするのがよいでしょう。切手盆がないときは、香典を包むふくさに載せて、僧侶から見て正面になるようにお出しします。
お渡しするときは、「本日はお勤めいただき、ありがとうございました。お供えください」という、ねぎらいの一言を添えるといいでしょう。
参考:最新版新しい葬儀・法要の進め方&マナー(主婦の友社) 180ページ
まとめ
・四十九日法要のお布施のだいたいの相場を知っておこう
・場合によって、お車代、御膳料も用意しよう
・お布施の包み方、渡すときのタイミングに注意しよう