香典返しの用意は、できれば余裕をもってしたいものです。しかし、何かと忙しい葬儀の最中では、さまざまな理由から、香典返しの準備ができていなかったということもあり得ます。ここでは、香典返しを急い出すときのケースや、早く送る方法などについて解説します。
目次
香典返しを急ぐのはどんなケース? うっかり忘れていたなど
では、香典返しを急いで出す場合には、どんなケースがあるでしょうか。
まず考えられるのは、香典返しをいつ出すのかよく知らなかったというケースです。そもそも身近な人が亡くなったとき、葬儀をどのように行うか、普段から考えている人は少ないかと思います。
いざというとき、哀しみの中で葬儀が進み、ひと段落したときに、香典返しをしなければならないということを周りから教えられることもあるでしょう。香典返しはいつ行うものなのか、四十九日を迎える頃になってから、人づてに聞き、すっかり忘れていたということもあるかもしれません。
本来、香典返しを贈る時期はいつからいつまで?
特に最近の葬儀では、「当日返し」ということも多いため、香典返しは葬儀社にお願いしたときにすでに済ませていたと思い込んでいる人もいるようです。特に葬儀のときにお渡しする「会葬御礼」と「香典返し」が混ぜこぜになっているケースもあります。
まずは、通夜を含めた葬儀から四十九日の法要までに、いつ誰から香典を頂いたか、きちんと整理してみることです。
なお、香典返しは、葬儀で頭が混乱している時期ではなく、四十九日の忌明け後、およそ1か月以内に行えばよいので、多少遅れたからいって焦る必要はありません。
参考:晋遊舎ムック 日本一やさしくわかる 身内が亡くなった時の手続き 2022年版(晋遊舎) 33ページ
即日返し後に高額の香典返しをする場合、いつ贈ればいい?
喪主の中には、葬儀のときは周りの人に任せきりで、どのように即日返しを行っているか、覚えていない場合もあります。まず、即日返しを行っている場合、一人当たり、幾らぐらいの金額の品物を渡しているかチェックしてみましょう。香典の額が3分の1から2分の1程度までであれば、後日に追加で香典返しをする必要はありません。
問題は高額の香典を頂いている場合です。例えば即日返しとして5千円の品物を渡しているとします。香典に5万円を頂いているとすれば、追加で2万円程度の品物を香典返しとして贈りたいところです。
高額の香典を頂いたときは、早くお礼をしなければと思ってしまうところですが、香典返しの時期としては、四十九日の忌が明けてからでよいのです。
参考:いまさら聞けない 冠婚葬祭マナー辞典(ISMPublishingLab.) 56ページ
香典返しを急いでいる場合の対応案
後日贈る香典返しは、このように四十九日が明けてからでいいわけですが、四十九日が明けてしばらく経ってから、忘れていたことに気づくこともあります。また、葬儀や四十九日の法要に参列していなかった人でも、故人が亡くなったことを後から知って、香典を送ってきたということがあるかもしれません。
どんなに遅くなろうとも、香典を頂いた人へは、感謝の気持ちを表すためにも、香典返しをするのがマナーといえます。このようなケースで香典返しを急いで行いたいときは、できるだけ早く対応してくれるお店やショップを探すようにします。
香典返しを扱っているお店には、百貨店やギフトショップのほか、香典返しの専門店などがあります。まず、自分が届けたい日時で届けることができるか、電話口に出た担当の人に尋ねてみましょう。
通販サイトなら出向く時間や品物選びの時間を節約できる
ギフトショップや百貨店に注文する場合、自宅からお店のある場所まで出向かなければなりません。そうしたお店が自宅の近くにあればいいのですが、場所によっては交通機関を使って出向かなければいけないこともあります。
往復にかかる時間や交通費が掛かることなどを考えると、かなり急いでいるときは、希望した日時に間に合わないということもあり得ます。
そうした場合、ネットなどの通販サイトなら、出向く時間や品物選びの時間を節約することができます。
また、そうした通販サイトは、個別発送などにも対応しており、専門に取り扱っていますので、相手に届けたい時間帯を細かく指定したいという場合にも、相談に応じてくれます。
急ぎの場合の品物は? カタログギフトは在庫が豊富な場合が多い
香典返しを現物で送る場合、品物によっては在庫が足りないと、相手先へ希望の個数が送れないとうことがあります。特に急ぎの場合、在庫が切れていると発送までに時間がかかって、希望の時間に届かないということもあります。
もし希望の品物で、在庫がないとショップの人に言われたときは、「カタログギフトはあるか?」と尋ねてみることをお勧めします。
カタログギフトは品物を直接送るのではなく、一冊のカタログですので、ショップの方でも、現物より早く発送できるというメリットがあります。ショップによっては、現物よりも豊富に在庫を取り揃えている場合があります。
挨拶状は名前入りでなければ納期が早くなることも
香典返しに欠かせない挨拶状ですが、時間的に余裕があれば、自分で文章を考えて、名前入りで送ることもできます。ショップによっては、挨拶状の印刷に関しても、無料でサービスを行っているところもあります。
ただし、急いでいる場合、名前入りの挨拶状は印刷に時間がかかるため、希望の日時に発送することができない場合があります。名前入りの挨拶状を揃えるとなると、ショップにもよりますが、注文を受けてから、2週間程度の時間が必要です。
急ぐときは、挨拶状に名前を入れなければ、納期が早くなることもありますので、ショップの方に相談してみるとよいでしょう。なお、挨拶状で名前を省略した場合は、香典返しを送った相手に後日、電話やはがきなどで改めて挨拶するようしましょう。
まとめ
・香典返しをうっかり忘れていた場合、どんなに遅くなっても行うのが、相手へのマナー。
・とにかく急ぎで、時間を節約したい場合は、通販ショップが便利。
・品物の在庫がないというときは、カタログギフトの方が在庫が豊富な場合も。