香典返しに何を選べばいいのか、あれこれ悩んでいるなら、ぜひお勧めしたい一品が「タオル」です。なぜ、タオルなのか? それには理由があります。 ここでは香典返しに人気のタオルについて、タオルを選ぶことの意味や、選び方のポイントなどについて解説します。
目次
香典返しにタオルを贈る意味と由来
香典返しに選ばれる人気の品物といえば、お菓子やお茶、石鹸、洗剤、そしてタオルではないでしょうか。
法事の引き出物や香典返しの品物で選ばれる消耗品は、食べたり使うとなくなる「消えもの」がいいとされており、不祝儀をあとに残さないという意味が込められています。
中でも、石鹸は「洗い流す」、タオルは哀しみを「ぬぐい去る」「包み込む」という何重もの意味があるため、特に選ばれています。
ところで、タオルは日本古来の品物でいえば「手ぬぐい」です。地域によっては、葬儀で遺族が身に着けたさらしを手ぬぐいの大きさに切って参列者に配るという風習があるそうです。そうした名残として、タオル(あるいはハンカチ)などを香典返しに配るという 習慣ができたともいわれています。
香典返しや法事の引き出物にタオルが好まれる理由
タオルが好まれるのは、こうした由来だけにあるのではありません。実用的で消耗品としても重宝するからです。
また、引き出物として選んだ場合、持ち帰るのに「軽い」ということも好まれる理由の一つでしょう。特に参列した人にとっては、移動中に「かさばらず、軽い、壊れない」ことは大きなメリットです。
さらに、どんなにもの持ちがよい食品でも、必ず賞味期限はありますが、タオルなら使うまで気軽に保管しておくことができます。古くなったタオルは最後は雑巾として無駄なく使いきることができるので、その点でも重宝します。
タオルの柄や色はどんなものがいい?
香典返しに用いるタオルの柄や色としては、第一候補となるとやはり「無地の白」でしょう。理由としては法事に用いるということだけではなく、柄や色にはそれぞれ好みがあるからです。
ただ、いざ選ぼうとすると白では味気ないと考えてしまいがちです。そんなときは自分が貰う立場になって考えてみるとよいでしょう。
やはり「シンプル・イズ・ベスト」です。おすすめの色はモノトーンや落ち着いたベージュ系、淡い中間色などで、柄はできるだけ目立たないものを選ぶとよいでしょう。
参考:30代なら知っておきたい! 『冠婚葬祭』『作法』タブー(生活と知恵を守る会 株式会社クリエイターズギルド) 3ページ
今治などのブランド品がおすすめ
タオルを選ぶ際には、使い心地を考えて選びたいところです。日用品として使われているので、かなり低価格なものもありますが、香典返しとしてお返しするなら、それぞれ頂いた香典に見合った値段のタオルを用意したいところです。
今治タオルは優れた品質のタオルとして定評があります。また、汎用品からそれなりの高級品まで取り揃えていますので、1500円~5000円、あるいは以上の価格帯のセットなど、香典返しとしてバリエーションを付けて選ぶことができるでしょう。
ブランド品以外で香典返しにおすすめのタオル
今治タオルなどのブランド品以外のタオルでは、小さな子供や赤ちゃんが口に含んでも安心な、オーガニック素材のタオルなどもおすすめです。マイクロコットンでアメリカの大統領が使っているタオルや、世界の一流ホテルで使われている高級タオルなど、普段自分では買わないような高品質のタオルなら、どなたにも喜んでいただけるはずです。
タオルは直接肌に触れて用いるだけに、肌触りや使い心地がとても大事です。ブランド品以外で選ぶ際は、現物に手に触れてみたり、できれば実際に使ってみてから決めるようにするといいでしょう。
参考:冠婚葬祭おつきあいとお金のマナー(早井千代子 西東社) 168ページ
贈り先が多い場合は、送料無料のサービスを
香典返しでタオルを贈るのに便利なのが、ネットや通信販売などのギフトショップです。数が少ない場合、それなりに送料がかかる場合もありますが、一定以上の品物をまとめて購入する場合、送料無料のサービスを行っているショップもあります。贈り先が多い場合は、こうした送料無料のサービスをぜひ利用したいものです。
念のため品物をチェックしてから発送したい場合は、いったん自宅へまとめて配達してもらうこともできますし、品物の品質についてすでに信頼しているなら、贈り先へ直接、無料で配送してくれるサービスを利用するとよいでしょう(ただし、一部の地域を除くこともあるので注意)。
香典返しにタオルを贈る際ののしや挨拶状、包み方
「香典返しに用いる」ということをショップの人に伝えておけば、まず間違いはないと思いますが、基本的なことは覚えておくとよいでしょう。
タオルだけでなく、香典返しの品物の箱の包装紙は「仏包み」にします。仏包みは、正面から見て、包装紙の紙の左側が上になる包み方です。 仏包みにした包装紙の上にのし(掛け紙)をかけます。のしは黒白、または黄白の結びきりで、表書きは「志」とするのが基本です。
香典返しには、品物だけでなく、葬儀や法事が無事に済んだこと、香典を頂いたことへの感謝の気持ちを伝えるように、挨拶状を付けるようにしましょう。
参考:新装版イチバン親切な ラッピングの教科書(宮田真由美 新星出版社) 166ページ
まとめ
・香典返しにタオルを贈るのには、哀しみを「ぬぐい去る」という意味が込められている。
・タオルの色や柄は、できれば「白で無地」のものを。できるだけシンプルなものを選ぼう。
・香典返しには、今治タオルなどの高級品がおすすめ。使い心地がよいものを贈るようにしよう。